2012年10月08日
La!Bunko2012 文庫セレクターのご紹介 日記4
みなさまこんにちは。本日もLa!Bunko2012文庫セレクターの方々と選んでいただいた文庫をご紹介いたします。
◇伊勢康之さん◇
東京藝術大学卒業後、天草・丸尾焼を経て熊本朝日放送へ。毎週土曜日朝の生放送、駅前TVサタブラを担当。伊勢康之さんのオススメ 樅ノ木は残った/山本周五郎/新潮文庫/上¥704 中¥662 下¥704

この本へのコメント 高校時代に買い漁った周五郎の代表作。人の業を見詰め、その仔細を描きながらも、どこまでも深い愛情に満ちた眼差しに、自分の視点、思考だけが全てではないと思い知らされた一冊。でも、この作品は、長いっ(笑)
その他のおすすめ文庫 忘れられた日本人/宮本常一/岩波文庫/¥735
文庫本への想い 小さな扉を開けば、思想、イメージ、風景。あるいは、音楽が聞こえることがあったりもして。常に鞄の中に入っていないと困るもの。例えばハンカチを持つように、文庫本を持ち歩くことは、オトナの「嗜み」のひとつだと思っていたりもする。
◇井手啓吾さん◇
popholicのためのレコードショップPEANUTSRECORDSオーナー。愛妻家、子煩悩。井手啓吾さんのオススメ 長距離走者の孤独/アラン・シリトー/新潮文庫/¥500

この本へのコメント 青臭い反骨精神を表現した小説が好きで、これはその代表作。大好きなバンド「ベル&セバスチャン」がこれを元ネタに名曲「中距離ランナーの孤独」をつくり、それからこの小説もバンドもますます好きになりました。
その他のおすすめ文庫 煙か土か食い物/舞城王太郎/講談社文庫/¥580
ニッポニアニッポン/阿部和重/新潮文庫/¥380
文庫本への想い いつも寝る前にベッドで読みます。移動中や宿など旅先で読むのも大好き。旅先の本屋さんで購入して見慣れないブックカバーをかけてもらうのも密かな楽しみです。
◇伊藤宗一さん◇
Total Drinking Space ICHI 店主。情に掉させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。智に働けば角が立つ。伊藤宗一さんのオススメ 音楽の海岸/村上龍/講談社文庫/¥590

この本へのコメント 村上龍が中上健次に捧げた物語。曖昧さやヒューマニズムを憎む意志、厳密な「言葉」の必要性、コミュニケーションの要、希望について色々と学んだ作品。ソフィがつくるブラッディマリーを生涯一度飲んでみたい。
その他のおすすめ文庫 不良牧師! 「アーサー・ホーランド」という生き方/文春文庫/¥660
シミュレーショニズム/椹木野衣/ちくま学芸文庫/¥1365
文庫本への想い 僕にとって物語と音楽は近い存在で、自由に持ち運べる文庫本はipodのようです。いつでも身近で鳴っています。
◇伊藤雅美さん◇
熊本デザイン専門学校教員。画家。今年のまちなか美術館では、向田邦茨木のり子に関する絵を長崎書店さんで展示させていただきました。伊藤雅美さんのオススメ 新編 東洋的な見方/鈴木大拙/岩波文庫/¥903

この本へのコメント 日本人として洋画を学びどう描くか悩んでいた学生の時読みました。明治時代外国で暮らし国際結婚した大拙の「世界人としての日本人」論、「画家は胸中万巻の書がなくては本当の絵はかけぬ」等、心の指針となりました。
その他のおすすめ文庫 向田邦子の恋文/向田邦子/新潮文庫/¥420
一本の茎の上に/茨木のり子/ちくま文庫/¥630
文庫本への想い 文庫が出るまでひたすら待っていたあの頃…「待つ楽しみ」「所有する喜び」は単行本を迷いなく買えるようになった今より大きかったかもしれません。文庫ありがとう。これからもよろしく。
以上、本日も4名のセレクターをご紹介いたしました。
これからもよろしくお願いいたします!