2011年07月14日
根津権現裏

こんにちは、文庫担当の児玉です。
今年2月に芥川賞を受賞した西村賢太さん、その作風とご本人の風変わりなキャラクターが話題となり、一気に人気作家になりました。どの作品かを読まれてファンになられた方もきっと多いと思います。
今日ご紹介するのは、西村賢太ファンの方にはきっともう名前だけはおなじみの作家・藤澤清造の根津権現裏です。
このたび新潮文庫で刊行されました。
文学の世界では肩身の狭い思いをしてきた「私小説」というジャンルですが(想像力に乏しくせせこましい世界観を批難され、なんといってもひたすら暗いのが嫌われました)、「私小説書き」と堂々と言う西村さんの作品は、読者が笑いに誘われる作品ばかりです。
そんな西村さんが「歿後弟子」として私淑するのが、これまでほとんど知る人のなかったであろう藤澤清造です。
藤澤清造の私小説には落語の要素が取り入れられ、暗さの中にユーモアが底流する作品をたくさん残したようで、「根津権現裏」ももちろんそのひとつ。
当時藤澤清造はこの作品を、友人の芥川龍之介を仲立ちに新潮社からの刊行を目論んで、すげなく断られた因縁があるそうですが、今回このように新潮文庫として多くの方の手に渡る機会が巡ってきたことを西村さんは大変喜んでおられます。普及版第二弾として藤澤清造短編集の準備も進んでいるようです。
西村さんの作品の文庫化も進んでいます。
注目を集める2人の私小説家の作品を読み比べてみるときっとおもしろいと思います。
文学の世界では肩身の狭い思いをしてきた「私小説」というジャンルですが(想像力に乏しくせせこましい世界観を批難され、なんといってもひたすら暗いのが嫌われました)、「私小説書き」と堂々と言う西村さんの作品は、読者が笑いに誘われる作品ばかりです。
そんな西村さんが「歿後弟子」として私淑するのが、これまでほとんど知る人のなかったであろう藤澤清造です。
藤澤清造の私小説には落語の要素が取り入れられ、暗さの中にユーモアが底流する作品をたくさん残したようで、「根津権現裏」ももちろんそのひとつ。
当時藤澤清造はこの作品を、友人の芥川龍之介を仲立ちに新潮社からの刊行を目論んで、すげなく断られた因縁があるそうですが、今回このように新潮文庫として多くの方の手に渡る機会が巡ってきたことを西村さんは大変喜んでおられます。普及版第二弾として藤澤清造短編集の準備も進んでいるようです。
西村さんの作品の文庫化も進んでいます。
注目を集める2人の私小説家の作品を読み比べてみるときっとおもしろいと思います。