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こんにちは、「ながしょ」こと店長の長崎です。
熊本の本屋、熊本の書店として皆様に支えられて120周年を迎え、温故知新、人と本の幸せな出会いを演出していきます。
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2011年04月23日

はてしない物語

はてしない物語ミヒャエル・エンデ/作 上田真而子/訳 佐藤真理子/訳 出版社名 : 岩波書店
出版年月 : 1982年6月
ISBNコード : 978-4-00-110981-8
(4-00-110981-6)
税込価格 : 3,003円
頁数・縦 : 589P 23cm









汝の 欲する ことを なせ

こんにちは。スタッフのIです。

今日、ご紹介するのは、「はてしない物語」です。

遅ればせながら、この有名なお話を私は生まれて初めて読みました。
とても深くておもしろいお話でした。


主人公セバチアンは物語の中へ入っていき、物語の中で生きはじめます。
そうして、物語の中で、望みをかなえるために、力を使うたびに、本当の自分を忘れていってしまうのです。

このお話は、私たちそのもののお話なんだと思いました。
私たちも、自分自身の物語を語り始め、いつのまにか、自分が物語の一部となり、物語そのものになっていきます。
そして、その中で、願いをかなえるために本当の自分自身というのを忘れていくのです。

本当の自分を思い出すために、バスチアンは、すべての自分を最後に忘れます。
逆説的ですが、思い出すということと、忘れるということは、対になっていて、どちらも同じものを呼び覚ます「力」となるものです。

少しだけ覚えていながら、全部を思い出すことはできません。
全部を思い出すために、全部を忘れて、次の扉へゆく。

私たちは物語の中の自分自身を全部忘れることなしに、本当の自分自身に結びつくことはできません。
なぜなら、本当の自分とは、物語の中ではなくて、その物語を紡ぎ出す向こうにいる存在だから。

大きな物語の中にちっぽけな自分がいるのではくて、大きな自分の中に小さな物語があることに、バスチアンは最後に気づくことができます。

「世の中には喜びの形は何千何万とあるけれども、それはみな、結局のところたった一つ、愛することができるという喜びなのだ」

そうです、物語とは、喜びとは、愛の形のあらわれにほかなりません。

私たちの中の愛が命を結ぶとき、それは物語となり生命を与えられるのです。

すべての人の、すべての物語は、いつも、はてしない物語です。

期限も規制も何ひとつありません。

本当の自分に通じるための、はてしない物語。

この旅をいつまでもいつまでも続けていたいと思いました。



今日も幸せな一日になりますように。





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この記事へのコメント

中学生の頃、社会の先生が見せてくれた映画がこれでした。
リマールの歌う主題歌にとても惹かれてアルバムを買った記憶があります。
大人になって改めて原作を読むと、子どもの頃とはまた違った感じ方ができますね。
何度も何度も読みたい本だと思います。
Posted by 鷹の目 at 2011年04月25日 16:07
>鷹の目さん
ありがとうございます。
子供のころにこの物語に触れられたことは、ものすごく幸せなことであり、大人になってもう一度読むことができるのは、さらに幸せなことですね。
想像力がものすごく必要な本だと思いました。
読み直すうちに、想像力がどんどん鍛えられる本なのかもしれないですね^^
いつもありがとうございます。
Posted by ながしょながしょ at 2011年04月25日 16:18
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