2010年10月31日
毒笑小説

毒笑小説
東野圭吾
文庫: 360ページ
出版社: 集英社 (1999/2/19)
言語 日本語
ISBN-10: 408747013X
ISBN-13: 978-4087470130
発売日: 1999/2/19
商品の寸法: 15.2 x 10.4 x 1.8 cm
「うん、これはいい退屈しのぎになるな。先程、やり残したことはないといったが、考えてみたら誘拐はやったことがなかった。よし、一つそれをやろう」
「わしも悪いことはいろいろやったが、誘拐は初めてだ。身代金の受け渡しとかもあるわけだろう。いいじゃないか。わくわくする。ひひ」
皆さまこんにちは、スタッフCです
お金持ちの仲良し老人三人組が「退屈凌ぎ」に企んだのは、なんと「孫を誘拐すること」だった・・・。
途中、「身代金一億は少ないだろう!」と、お金持ちゆえの経済感覚で読者の笑いを誘いますが(ちなみに身代金を要求された親もお金持ちなので「たった一億円のために息子を誘拐したの!? その程度のお金ならくれと言えばすぐにでもやるわよ!」と超富裕層方面のキレ方をしています)、物語の結末は「うーん・・・」と考えさせられます。単なる物語としてのオチではなく、現代社会への風刺が含まれています。
言い遅れましたが、この本は短編小説集です。
他にも、妻の殺害を自首しているのに手続きが煩雑ですぐに逮捕してくれない「マニュアル警察」、唐突な電話により自分とはまったく無関係な子供の身代金を要求される「誘拐連絡網」、さえない男が殺人犯の目撃証言をすることで一躍注目を浴びる「栄光の証言」など、東野圭吾ならではのミステリ事件関連の短編が小気味良い皮肉を孕みながら展開していきます。やはり社会への風刺が効いています。
個人的には巻末の京極夏彦氏との対談内容が一番ふむふむと読めたり・・・・・・。小説で笑いを取ることの難しさ、その割には社会的評価が低くあることへの不満など、結構ふむふむです。かく言うわたしもこの本を読んでる間「作者が長編ミステリを書く傍ら片手間に書いたものだろう」と憶測してしまい、「手抜きじゃない」との東野氏の発言に思わず「す、すいませんでした・・・」状態です・・・・・・そりゃそうですよね
東野圭吾は言わずもがな長編ミステリが有名ですが、名探偵・天下一大五郎が活躍するシリーズも、ミステリに対する自虐的要素がコミカルに詰め込まれており楽しめます。この作者だから書いていいんだろうなあという発言もちらりちらり。
隙間時間などに読める短さなのでお気軽にどうぞ。

お金持ちの仲良し老人三人組が「退屈凌ぎ」に企んだのは、なんと「孫を誘拐すること」だった・・・。
途中、「身代金一億は少ないだろう!」と、お金持ちゆえの経済感覚で読者の笑いを誘いますが(ちなみに身代金を要求された親もお金持ちなので「たった一億円のために息子を誘拐したの!? その程度のお金ならくれと言えばすぐにでもやるわよ!」と超富裕層方面のキレ方をしています)、物語の結末は「うーん・・・」と考えさせられます。単なる物語としてのオチではなく、現代社会への風刺が含まれています。
言い遅れましたが、この本は短編小説集です。
他にも、妻の殺害を自首しているのに手続きが煩雑ですぐに逮捕してくれない「マニュアル警察」、唐突な電話により自分とはまったく無関係な子供の身代金を要求される「誘拐連絡網」、さえない男が殺人犯の目撃証言をすることで一躍注目を浴びる「栄光の証言」など、東野圭吾ならではのミステリ事件関連の短編が小気味良い皮肉を孕みながら展開していきます。やはり社会への風刺が効いています。
個人的には巻末の京極夏彦氏との対談内容が一番ふむふむと読めたり・・・・・・。小説で笑いを取ることの難しさ、その割には社会的評価が低くあることへの不満など、結構ふむふむです。かく言うわたしもこの本を読んでる間「作者が長編ミステリを書く傍ら片手間に書いたものだろう」と憶測してしまい、「手抜きじゃない」との東野氏の発言に思わず「す、すいませんでした・・・」状態です・・・・・・そりゃそうですよね

東野圭吾は言わずもがな長編ミステリが有名ですが、名探偵・天下一大五郎が活躍するシリーズも、ミステリに対する自虐的要素がコミカルに詰め込まれており楽しめます。この作者だから書いていいんだろうなあという発言もちらりちらり。
隙間時間などに読める短さなのでお気軽にどうぞ。