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こんにちは、「ながしょ」こと店長の長崎です。
熊本の本屋、熊本の書店として皆様に支えられて120周年を迎え、温故知新、人と本の幸せな出会いを演出していきます。
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2009年11月26日

残光

残光

小島信夫/著


出版社名 新潮社
出版年月 2009年11月
ISBNコード 978-4-10-114502-0
(4-10-114502-4)
税込価格 460円






今思うと、
すべて楽しいときであったことなのに書き置かないということは、
誰に対してということなく申しわけないことだ……。


こんにちは、スタッフのk.kです。
今回ご紹介するのはこちらです。

これは2006年に惜しくも亡くなられた作家、小島信夫の遺作です。
これを書いているとき、小島氏90歳。
享年91ですから、そのバイタリティは想像を絶します。

さて本書ですが、どう紹介すればいいのか、
自分で選んでおきながら、非常にこまっています。

ストーリーは、ない、と言っていいと思います。
一見私小説のようですが、
過去に書いた小説の引用が延々つづいたり、
登場人物がいつのまにか入れ替わっていたり、
かと思えば、
とつぜん現在の小島さんが語り始めたり。

混乱しそうなのですが、
ギリギリのところで読み続けられるのは、
小島氏がすべてを「わざと」やっている、という
統率があるからではないでしょうか。

しかも、ときにふっと
信じられないくらいの美文に出会ったりして、
『これを書いてる小島信夫の脳内はどうなってんだ!!』
と思うことしきり、でした。
特に、
小島氏が軽井沢の別荘から浅間山へ向けて奥さんとふたり上っていく場面は、
あまりの美文さにちょっと恐ろしい気すらしました。
さかのぼって昔の作品も読んでみたいと思います。

小説を読むという行為の、なんというか、
贅沢さ、みたいなものを感じた一冊です。
読書って、ほんっとーうに、素晴らしいですね?


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この記事へのコメント

少し興味をひきました。
最近は司馬遼太郎とか吉村昭とか、じいちゃんの文章に酔いしれているからです。
Posted by わくわくなひとわくわくなひと at 2009年11月26日 10:40
>わくわくなひとさん
コメントありがとうございます。
じいちゃんの文章、わかる気がします。
安心する感じと、同時にどこか危うい感じもあるからでしょうか。
と言っても、
司馬遼太郎も吉村昭も読んだことないのですが……。
これから読んでいきます!
                     k.k
Posted by ながしょ at 2009年11月26日 20:01
新潮文庫ですね。新潮さんの文庫は、読めば読むほど味が出るするめのような本が多いような気がします。茂木健一郎さんを最初に読んだのも「脳と仮説」?、新潮文庫でした。「残光」は長崎書店さんで購入します。
Posted by 雁林 at 2009年11月28日 14:01
>雁林さん
コメントありがとうございます。
出版社のくくりで感想が言えるなんて、
かなりな読書家でいらっしゃるのでしょうか。
私は、新潮文庫のパンダのマグカップを持っていて、その意味で新潮さんには愛着があります。どうでもいいですね。
文庫棚「こ」のあたりにひっそり佇んでおりますので、もし機会があればぜひお求めください!
                          k.k
Posted by ながしょ at 2009年11月28日 20:26
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