「せんたくかあちゃん」
さとうわきこ／作・絵
福音館書店
税込価格８４０円




こんにちは。スタッフのＳです。

お天気の日にはこれ。「せんたくかあちゃん」です。
お話は、こう始まります。
せんたくの　だいの　だいの　だいすきな　かあちゃんが　いました。

よく晴れた日のこと。
かあちゃんは、家じゅうのズボンもチョッキもくつしたも、パンツもシーツもまくらカバーも、みんなあっというまに洗ってしまいました。でも、まだまだ洗い足りません！
「なにかあらうものをさがしといで」
かあちゃんは、こどもたちに言いました。こっちまで洗われたらさあたいへんとばかりに、猫や犬や、かえるやにわとりや、玄関のげた箱まで、みんな逃げ出しました。
「とまれ！」の一声でみんなを止めたかあちゃんは、みんなたらいに放りこんで、ごしごし洗ってしまいました。
洗濯物を干す所は、ベランダじゃないんです。庭の木から木へ（庭だけでは足りなくて、向かいの森の木にも）ものほしなわをかけて、洗濯物をどんどん干しました。
かあちゃんの思い切りのよさは、見ていて気持ちいいです。

そこへやってきたのが、うす汚れた格好のかみなりさま。
「みんなのおへそをとりにきた」というかみなりさまに、かあちゃんはかんかんです。
「なんだって、おへそをとりにきたんだって！」
言うなりかみなりさまの首ねっこつかんでたらいの中に放りこんで、ごしごし　ごしごし！
洗い終わったかみなりさま、汚れと一緒に、目も鼻も口も落ちてしまいました。
乾かしてきれいになったかみなりさまに、子どもたちがクレヨンで顔を描いてあげるのですが…

↓

きれいなジャイアンになってしまうという、この落とし所がたまりません。かみなりさまも満足そうですし。

「まかしときい！」
かあちゃんの声が青空に響きます。
とにかくかあちゃんの豪快さが爽やかに突きぬける、暑い夏の日にぴったりなお話です。