2009年06月14日
ボルピィ物語
那須田淳/作 村上勉/絵
出版社名 (株)ひくまの出版
出版年月 1989年11月
ISBNコード(13桁) 978-4-89317-060-6
ISBNコード(10桁) 4-89317-060-0
税込価格 1,365円
出版社名 (株)ひくまの出版
出版年月 1989年11月
ISBNコード(13桁) 978-4-89317-060-6
ISBNコード(10桁) 4-89317-060-0
税込価格 1,365円
「・・・ドイツの森は、はてしもなく深い。木々は、高くたくましく、まさに大自然そのものだ。この木立のなかを歩いていると、忘れていた何かを感じさせてくれる。勇や未来も一度、ここにきて深呼吸してみるといい」
建設会社の橋梁技師をしている父は、一年前、西ドイツのミュンヘン市に単身赴任した。
その父から手紙がとどいたのは、六月のはじめだった。
こんにちは、スタッフのKです。
今回は冒険ファンタジーです。村上勉さんの独特の絵が、ボルピィ(小人)のイメージにぴったりです。
私は初夏にさしかかると、この物語が読みたくなります。最初に読んだのは、子供のころですが、今でもその時期になると、みどり鮮やかな表紙をおもいだします。
「どうして霧ができるか知っているかい?」
「空気が冷えて、地表の水蒸気がかたまるからでしょ」
ぼくはあくびをした。
「科学的にはそのとおりだ。でも、ヨゼフ老人にいわせると、霧がでるのは森が生きているせいだってさ。一種のためいきみたいなものらしいよ」
「ためいき?」
「そうさ。やれやれ、またへんなやつが迷いこんできたわい、っていうふうに」
父はそういって笑った。