▼当店はe-honの加盟店です
 在庫検索はこちらでどうぞ!





              
プロフィール
ながしょ
ながしょ
こんにちは、「ながしょ」こと店長の長崎です。
熊本の本屋、熊本の書店として皆様に支えられて120周年を迎え、温故知新、人と本の幸せな出会いを演出していきます。
九州でも屈指の歴史とセンスある書店空間で人生・日々の生活に豊かさを添える本のセレクトを心がけています。
上通の書店、当ブログ、あわせてよろしくお願いいたします!

Information
おてもやんTOP

ログイン

読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 55人
オーナーへメッセージ
QRコード
QRCODE

2009年03月21日

不思議な少年

不思議な少年モーニングKC
山下 和美 著

出版社名 講談社
出版年月 2001年10月
ISBNコード 978-4-06-328772-1
(4-06-328772-6)
税込価格 720円







人間って不思議だ。




こんにちは。スタッフのIです。

今日、ご紹介するのは「不思議な少年」というコミックです。

永遠の命をもつ「少年」は、あらゆる世界、あらゆる時代に現れ、人間を見つめます。

永遠の命を持つ少年にとって、有限の命しか持たない人間はとても不思議で興味深いものです。

死地に赴くソクラテスや、南極探検に失敗し遭難した男など、彼は様々な時代、場所で、岐路に立つ人の前に現れ、人々の生、そして死を見つめてゆきます。

人間を見つめる永遠の存在といえば、「火の鳥」が思い浮かびますが、火の鳥が絶対的真理であるのに対し、この少年は感情を持ち、ときに怒り泣き、人間の世界に積極的に介入していくのです。

2巻に収録されているソクラテスの話が私は好きです。

少年が降り立ったのは紀元前399年のギリシャ。
そこにいたのは牢獄の中で処刑を待つソクラテスでした。
不当な裁判で処刑を命じられたソクラテス。
そしてそれを受け止め待つソクラテス。

「解せません。あなたが何故処刑されなければならないのか」

ソクラテスは答えます。

「自分が知らないということを自ら知り、
あくまでその気持ちに忠実に行動したからだよ」

少年は言いいます。

「では知らないということがなくなったら、
全てを知ったらどうなるのか、、試しに全てを見せましょうか、、この先の人間たちの運命を」

こうして少年とソクラテスは一気に時空を駆け抜けます。

あらゆる時代、あらゆる場面、そして現代の日本へ―。


そこでソクラテスは何を見るのでしょう?

知らないということがなくなったとしても、ソクラテスは自らの死を受け入れるのでしょうか?



「知らないということを知る」こと、私は大好きです。

そのとき、ほんとうに知りはじめることができるから。


自分は知っていると思うとき、知っているような気になっているだけで、本当は何も知っていません。

知らないということを「知った」とき、はじめてその扉は開かれます。


自分についてどれだけのことを知っていますか?

「自分のこと?そんなもん知ってるさ!」と、知っているつもりになって、その扉を閉じたままにしていませんか?

その扉はいつだって開かれていますよ。

今まで一度だって本当は、閉じられたことさえないのだから。

その扉を通って、もっと向こうまで行ってみませんか?


わくわくする向こうのもっと先へ。

知らないことを知りにいきましょう。


私たちのなかのソクラテスと一緒に。








今日も幸せな一日になりますように。







同じカテゴリー(スタッフのオススメ本)の記事画像
家の中で迷子になったことありますか?
2000部限定発行!写真アルバム『熊本市の昭和』ご予約受付中です
著名マンガ家やアーティストが描く「くまモン」とくまもとをテーマにした応援イラスト集
行定勲監督ご来店!初のエッセイ集にサインを頂きました!
全集未収録の最新文集
文学は時に狂おしい。アルテリ四号入荷しました
同じカテゴリー(スタッフのオススメ本)の記事
 家の中で迷子になったことありますか? (2017-11-09 16:38)
 2000部限定発行!写真アルバム『熊本市の昭和』ご予約受付中です (2017-10-29 12:00)
 著名マンガ家やアーティストが描く「くまモン」とくまもとをテーマにした応援イラスト集 (2017-09-27 11:29)
 行定勲監督ご来店!初のエッセイ集にサインを頂きました! (2017-09-09 12:08)
 全集未収録の最新文集 (2017-08-19 10:55)
 文学は時に狂おしい。アルテリ四号入荷しました (2017-08-10 11:45)

この記事へのコメント

不思議な少年、モーニング・ツーで何話か読んだことがあって面白いな~と思っていたのですが、この記事を読んでさらに面白そうだと思いました。
ソクラテスの回、気になりますね。
知らないということがなくなったとしても、ソクラテスは自らの死を受け入れてしまうような気がします。
どうなるのか気になるので、コミックスを読んでみようと思います。
Posted by COW at 2009年03月22日 18:35
>COWさん
ありがとうございます。
「不思議な少年」は毎回オムニバスになっていて、あらゆる時代、あらゆる世界の人間のドラマを垣間見ることができるのでとってもオススメです^^
ソクラテスの回はCOWさんの感じられているとおりですよ^^
ぜひコミックスで読まれてみてくださいね。
ありがとうございます。
Posted by ながしょながしょ at 2009年03月24日 16:23
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。