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こんにちは、「ながしょ」こと店長の長崎です。
熊本の本屋、熊本の書店として皆様に支えられて120周年を迎え、温故知新、人と本の幸せな出会いを演出していきます。
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2009年01月17日

モモ

モモ岩波少年文庫 127
ミヒャエル・エンデ/作 大島かおり/訳

出版社名 岩波書店
出版年月 2005年6月
ISBNコード 978-4-00-114127-6
(4-00-114127-2)
税込価格 840円
頁数・縦 409P 18cm



「とてもとてもふしぎな、それでいてきわめて日常的なひとつの秘密があります。
すべての人間はそれにかかわりあい、それをよく知っていますが、そのことを考えてみる人はほとんどいません。
たいていの人はその分けまえをもらうだけもらって、それをいっこうにふしぎとも思わないのです。
この秘密とは―」






こんにちは。スタッフのIです。

今回、私がご紹介するのは、エンデの名作「モモ」です。

これは時間どろぼうと ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子のふしぎな物語です。


このお話の中でとっても心に残った部分があったので、ここでお話させてくださいね。

ある日、町はずれの円形劇場あとに不思議な少女モモがまよいこんできます。
モモのところには、入れかわりたちかわり、みんなが訪ねてきました。
町の人たちはモモに話を聞いてもらうと、いつも幸福な気持ちになるのでした。

話を聞いてもらうだけで幸せな気持ちになるとは、モモにはどんな不思議な力があったのでしょう?

みなさんは何だと思いますか?

人を幸せにさせるような不思議な魔法が使えたのでしょうか?

それとも、知識がすばらしく豊富で、何かすばらしいアドバイスをしてあげられたのでしょうか?


いいえ、違います。


「小さなモモにできたこと、それはほかでもありません。
あいての話を聞くことでした。

なあんだ、そんなこと、とみなさんは言うでしょうね。
話を聞くなんてだれにだってできるじゃないかって。

でもそれはまちがいです。
ほんとうに聞くことのできる人は、めったにいないものです。

そしてこのてんでモモは、それこそほかにはれいのないすばらしい才能をもっていたのです。」



ここに書いてあるように、人の話を聞くこと、こんなに難しいことはありません。

ほとんどの人は、相手が話しているときに、自分は何を話そうかを考えているものです。

本当に人の話を聞くこと、それは自分の頭を空っぽにして、心を傾けることです。

「傾聴する」は、「傾けて聴く」と書きます。
聞くは、ただ耳に音がきこえること。聴くは自分の意志で、身を入れてきくことです。


心から聞くとき、話をしている人は気分が良くなったり、新しい考えが浮かんできたりしてきます。

たとえばこんなふうにです。



「モモに話を聞いてもらっていると、ばかな人にもきゅうにまともな考えがうかんできます。
モモがそういう考えをひきだすようなことを言ったり質問したりした、というわけではないのです。
ただじっとすわって、注意ぶかく聞いているだけです。

その大きな黒い目は、あいてをじっと見つめています。
するとあいてには、じぶんのどこにそんなものがひそんでいたのかとおどろくような考えが、すうっとうかびあがってくるのです。

モモに話を聞いてもらっていると、どうしてよいかわからずに思いまよっていた人は、きゅうに自分の意志がはっきりしてきます。
ひっこみじあんの人には、きゅうに目の前がひらけ、勇気がでてきます。
不幸な人、なやみのある人には、希望とあかるさがわいてきます。」



人の話を聞くこと、みんなが当たり前にできると思っていること、本当はできている人はほんのわずかです。

人の話を心から聞くということ、今日から少し意識してやってみませんか?

相手の表情がまるで変わってくることにあなたも気づくはずです。


モモにだってできたのですから、あなたにできないはずはありません。



神さまが人間の口をひとつ、耳をふたつ創られたのは、話すことの二倍、人の話が聞けるようにです。


目が二つあるのはきっと、目に見えるものと、見えないものを、両方をしっかり見つめることができるように。

手が二本あるのはきっと、大切な人を強く、確実に、抱きしめることができるように。


意味があってこの身体が創られたのなら、その意味の通りに生きていきましょう。





こころのままに、創造されたままに、いつも私たちが生きることができますように。











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この記事へのコメント

このような紹介ができてうらやましいです。

しかし、これからの書店はこうでないとっですね!!

頑張りましょう。
Posted by 一心堂の俊君 at 2009年01月17日 11:38
大人になって・・2年くらい前に
読んだのですが、とてもいいですよね。
Posted by ちりちり at 2009年01月17日 11:47
こんにちは!スタッフIさん

私は以前「話聞塾」という処で、私の話を傾聴していただいたことがあります
話は苦手でしたが、スラスラと言葉が出てきて「聴いてもらってありがとう」」と温かい気持ちになりました
それは、自分を分かってもらえた嬉しさにつながるからかもしれません^^
小さなモモにそれができたんですね♪
娘にも読ませたい1冊です
紹介、ありがとうございます
Posted by ピナピナピナピナ at 2009年01月17日 14:28
なんとなく、なんでかわからないけれど、この人と話すといいことを思いつくなぁっていう人いますね。
きっとモモみたいに話を心を傾けて聴ける人なのでしょうね。
私もモモみたいになれるように、話の聴き方に気をつけてみます。
ありがとうございます。
Posted by COW at 2009年01月17日 17:13
>一心堂の俊君さん
ありがとうございます。
一心堂の俊君さんも素敵な絵本の紹介をされていますね。
これからの書店は本を売るだけではなく、素敵な本の紹介もたくさんして、お客様と喜びを分かち合っていきたいですね^^
これからもがんばります。
ありがとうございます。
Posted by ながしょながしょ at 2009年01月18日 09:29
>ちりさん
ありがとうございます。
私もこの作品は大人になってから読みました。
というよりつい先日です。
子供のときに読んでたらもっとよかったと思いますが、大人になって読んだからこそ、たくさんの発見があっておもしろかったです^^
これからもいろんな人におすすめしていきたいと思います。
ありがとうございます。
Posted by ながしょながしょ at 2009年01月18日 09:32
>ピナピナさん
こんにちは!
コメントありがとうございます。
「話聞塾」の話、とってもすばらしいですね。
本当に心から話を聴いてもらうと、たとえ話すのが苦手であっても、言葉が自然に出てくるし、うれしくなりますよね^^
「聴いてもらってありがとう」「聴かせてくれてありがとう」と両方が温かい気持ちになること。
それが本当のコミュニケーションですね。
小さなモモにそれができました。
小さなモモだからこそできたのかもしれませんね。
子供は世界をありのままに見る達人ですものね^^
大人になってもその心を忘れないようにしたいですね♪
またまた気づきをシェアしていただいてありがとうございます。
心から感謝です。
ありがとう!
Posted by ながしょながしょ at 2009年01月18日 09:39
>COWさん
ありがとうございます。
なんとなく、なんでかわからないけれど、この人と話すといいことを思いつくなぁっていう人、そういう人とはこころで話すことができるからだと思いますよ。
たとえ相手が心を開いて耳を傾けていてくれても、こちらが心を閉ざしていたら、心で話をすることができませんからね。
モモは相手の心を開く達人だったのかもしれませんね^^
話をきくこと、簡単なようでとっても難しいこと、意識してやっていきましょうね。
ありがとうございます。
Posted by ながしょながしょ at 2009年01月18日 09:44
人間の体は素晴らしいんですね~(^-^)/目は口ほどにものをいったり、見えていない部分に真実があったり
ハートは自分すら見えませんが、その人と語ればハートもその人の生きてきた歴史や感覚も感じることができます
どんな人も産まれながらの悪人はいない
様々な見えない背景がかならずありますよね
色んな方と顔を合わせてじっくり五感も第六感もfull活動させていきたいな~って思います
Posted by ゆっこ at 2009年01月19日 00:58
>本当に人の話を聞くこと、それは自分の頭を空っぽにして、心を傾けることです

ホントそうですね!
再確認させられたような気がします。
ありがとうございます☆...・o○゜

『モモ』 読んでみたくなりました^^

いつも素敵な本のご紹介と心に響くメッセージ、ありがとうございます♪
Posted by akiaki at 2009年01月19日 08:02
>ゆっこさん
ありがとうございます。
本当に人間の体は素晴らしいですよね。
目は口ほどにものをいったり、見えていない部分に真実があったり、何かを表現したがっている人は咳が出たり、ストレスは胃に来たりと、本当にすごいと思います。
頭ではなく、ハートで感じること、本当に大切ですね。
ハートで見るとその人がどんなふうに自分を見せかけていても、本当の姿が見えてきますね。
どんな人も産まれながらの悪人はいないし、愛がない人はいませんね。
そこには愛を思い出せなくて、傷ついて苦しんでいる人がいるだけ。
いろんな人と顔を合わせてじっくり五感も第六感もフル活動していくことで、その人を通して、自分自身の真実も知ることができるのですね。
素敵なメッセージありがとうございます^^
Posted by ながしょながしょ at 2009年01月19日 10:10
>akiさん
ありがとうございます。
自分の頭を空っぽにすることで、相手の心を受け入れることができますよね。
頭で何かを考えているときは、目の前の人を判断したり、自分に都合のいい部分だけを見てしまいがちです。
こちらが心を開き、判断を手放し、相手を全面的に受け止めることで、相手も心を開くことができるのですね。
『モモ』は大人になってからも、むしろ大人になってから読む方が心に響くと思います。
記事では触れることができませんでしたが、時間についてや、時間どろぼうたちがどうして生まれたのか、現代にも通じるメッセージや真理がたくさんこめられていました。
ぜひ機会があったら読まれてみてくださいね。
こちらこそいつも素敵なコメントをいただき励まされています。
心から感謝です。
これからも素敵な本の紹介と、伝えたいメッセージの発信をがんばります。
ありがとうございます^^
Posted by ながしょながしょ at 2009年01月19日 10:21
私は小学生の頃読んだことがあります。この本がきっかけかはわかりませんが、「人の話を最後まで聞き、そのあと意見をする。頭ごなしに否定せず、一旦聞き入れること。」を学んだ気がします。
今では子供にも相手の話を最後まで聞き、受け止める心を持つことで信頼が生まれることをゆっくりだけど教えています。



こんにちは、ながしょさん。先日ペイントさんの披露宴&2次会に出席していましたが憶えてらっしゃいますか?
Posted by ゆうか at 2009年01月20日 11:01
>ゆうかさん

コメントありがとうございます!

この前は本当ににぎやかで、お二人も
幸せそうでしたね(^^)

ゆうかさんのブログも拝見しましたよ~。
お子さんがとっても可愛らしいですね。

これからも絵本など紹介していきますので、
気軽に見に来てくださいね!
Posted by ながしょ at 2009年01月20日 14:59
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