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こんにちは、「ながしょ」こと店長の長崎です。
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2008年12月23日

癒す心、治る力

 癒す心、治る力 角川文庫ソフィア
アンドルー・ワイル/〔著〕 上野圭一/訳

出版社名 角川書店
出版年月 1998年7月
ISBNコード 978-4-04-277701-4
(4-04-277701-5)
税込価格 840円
頁数・縦 463P 15cm



やわらかく、方円にしたがう水が、固い岩をもうがつように、
いのちにしたがってたわむものは難問をも解決する。
「意志があるところに道(タオ)がある」といわれる、
だが、いのちを熟するにまかせ、熟したら枯れるにまかせよ。
意志は道(タオ)とはまったくちがう。
いのちの道(タオ)を拒絶するものは死んだものである。

―老子のことばより



人はなぜ病気になるのか?
本書はこの疑問に真正面から真摯に取り組んでいます。
心と身体はつながっていると言われるように、病気とはその人の心が目に見えるかたちで表れたものだととらえます。

病気になるひとつの理由は、「アンバランスを引き起こしている力または情況が、バランスを回復しようとする治癒系の能力の限度をこえている場合があるから」と考えます。

ではどうしてそのようなことが起きるのか?
どうしたらそれを治すことができるのか?

「ヒーリング」(治癒)の文字どおりの意味は「ひとつの全体になること」です。

ばらばらになってしまうことが病気だとすれば、ひとつの全体になることが治癒です。



「こいつと戦いますよ!」

病気にかかった人はこのような決意表明をよくします。
もちろん完全にあきらめて屈服するよりは、前向きな意志ですが、これは本当は戦いではありません。

「生命をおびやかす病気にかかった患者たちのこうした決意表明を、なんど耳にしてきたことか。
それを表明する彼らを支えているのは、世間知と社会の規範である。
われわれは病気と向かい合うとき、戦争の記号体系とイメージを使うことにあまりにも慣れすぎているのだ。」

病気とは戦いではなく、自分との対話です。
アンバランスな部分が目に見えるかたちであらわれることで、はじめて向かい合うことができるのです。

『何年もかけて、治癒を経験した多くの男女に面接してきたわたしは、「こいつと戦う」という態度が、望ましい結果を得るための最良の道ではないと考えるようになった。

治癒系の活性と正確に相互関係をもつ心理状態というものがあるわけではないが、面接した多くの男女に共通していたのは、病気と戦うよりむしろ病気を受け入れるという姿勢であった。

病気の受容は、じつは自己の受容という、より大きな受容の一部であることが多い。
自己の受容は重要なこころの転換のあらわれであり、パーソナリティの変容がはじまり、それによって病気の治癒がはじまる転換のあらわれなのである。』

自分を受け入れることが、「ひとつの全体になる」ことの一歩です。

極限まで後ろに引き伸ばされたゴムは、同じ力で前に激しく飛んでいきます。

ばらばらになるとは、ひとつになるためのプロセスの一部です。

病気になることは、引き伸ばされたゴムが戻ろうとするときに起こる、大きな揺さぶりだと私は思います。

戦いではなく、ひとつになるための「チャンス」です。





水は、どんな形ににも適応できる「やわらかさ」を持っていますが、同時に、固い岩に穴を開けるほどの「強さ」を持っています。

「やわらかさ」と「強さ」とは別のものではありません。

やわらかいからこそ、強いのです。

身体の固さや、感情の激しい怒りは、強さのあらわれではなく、実は怖れのあらわれです。

怖れているからこそ、何かから自分を守るために固く閉じこもってしまうのです。


開かれたものは、やわらかく広がるが、閉じられたものは、固く縮まる。

固く閉じこもるのではなく、やわらかく開いて広がっていきましょう。


東洋医学やホメオパシーの考え方が私は好きです。

そこでは身体を、ばらばらの一部ではなく、ひとつの全体としてとらえます。



癒しとは、ひとつの全体になること。

ばらばらの一部ではなく、ひとつの全体になっていきましょう。







(スタッフI)



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この記事へのコメント

病気の受容は、じつは自己の受容ということ、まさにそうだと思います。とくに精神的なものはそうですね。精神的な病が治癒する過程は、自分自身と対話するための時間なのだと思います。「自己の受容は重要なこころの転換のあらわれであり…」の部分がそのまま当てはまりますね。こんな本があるとは、驚きです。

精神的な病を克服した人が以前「(治ってから)性格が変わったってよくいわれるけど、むしろ戻った感じなんだよね。ものすごく小さい頃の自分の性格に。多分生きてきた中で色々感じてきた歪みやズレがなくなったんだよ」と言っていました。それって、「ばらばらの一部ではなく、ひとつの全体になっていく」ことに似ているような気がします。だとしたら、病気になったのは彼女にとって、自分を取り戻すチャンスだったのだなと思います。

私もやわらかく強くありたいです。
Posted by COW at 2008年12月23日 14:00
>COWさん
ありがとうございます。
この本は10年以上前に出版されているのですが、その当時の医療にとってはまさに革命的な内容だったと思います。
病気は外からの原因によるものではなく、内側から来るもの。
自分を取り戻すチャンスというのはまさにそのとおりですね。
精神的な病を克服した人のお話は、そのことをよく示していますね。
「ばらばらの一部ではなく、ひとつの全体になっていく」が治癒であり、人間の目指すところだと思います。
「やわらかさ」と「強さ」は相反するものではなく、同時に成り立つものです。
固い木はすぐ折れますが、やわらかくしなやかな木は、どんな風でも決して折れることはありません。
やわらかく、強く、なっていきましょう^^
Posted by ながしょ at 2008年12月23日 14:13
お腹を壊したので体と相談して胃に優しいお粥を食べ、調子が戻りました。
体のバランスをとるための不調だとしたらバランスを整えているうちに余分なものは排除されて病気をすることで益々調子がよくなる、という事もありそうです…知恵熱とか。
Posted by パワフルママ at 2008年12月23日 20:48
またまた、私のこれからのテーマに合った内容でした。
ありがとうございます。
心の柔軟性と身体の柔軟性の融合。
私の来年の目標です。
Posted by Titania at 2008年12月24日 08:19
> パワフルママさん
ありがとうございます。
そうですね、バランスを取るために病気になるというのはあると思います。
ある調べでは、定期的に風邪をひく人の方が長生きするというデータもあるみたいです。
余分なものが排除されるデトックス効果もあるのでしょうね。
知恵熱もそうですね。熱が出ることで身体は活性化され、また新しい状態になるのかもしれませんね。
少しのゆがみはひどくならないうちに整えていくことが大切ですね^^
Posted by ながしょながしょ at 2008年12月24日 11:45
>Titaniaさん
ありがとうございます。
ばらばらの一部ではなく、ひとつの全体になっていくことが私の人生の大きなテーマです。
心の柔軟性と身体の柔軟性の融合、大切ですね。
カチカチの石あたまにはならないように気をつけます。
カチカチの氷も溶けたら水になります。
こころの氷を溶かして、水にしていきましょう。
私の目標は水よりもさらに柔軟な水蒸気にまで心を軽くすることです^^
Posted by ながしょながしょ at 2008年12月24日 11:52
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