2017年04月20日
九州限定配本の熊本の出版社、伽鹿舎(かじかしゃ)から新刊が発売されました!

妻を喪った老音楽家。狂おしいまでの妻への愛と、崇高なまでの『音楽』への道。若き弟子との間の軋み、その弟子のもたらした娘たちへの激しい翻弄。老音楽家の紡ぐ言葉にならぬ音は亡き妻を招く。キニャールのペンが紡ぐささやかで細やかな、雑駁で時に卑小で、しかしどこまでも美しいディティールに満ちた世界。ゴンクール賞に続き、2017年にアンドレ・ジッド賞を受賞した現代フランス文学最高峰の作家のひとり、パスカル・キニャールの91年の作品の新訳『世界のすべての朝は』が発売されました。『虐殺器官』などの作品で知られる伊藤計劃も愛した作家だそうです。今回の出版にあたって、本書には批評家の若松英輔さんが「祈りを奏でる」という文章を、文芸評論家でゲームライターの岡和田晃さんが「言語という根本衝動、音楽という犠牲 ‐ パスカル・キニャールを読む伊藤計劃」という文章を寄せられています。ぜひ読んでみて下さい!
世界のすべての朝は/パスカル・キニャール著/高橋啓・訳/伽鹿舎/1000円(税込)