2013年09月26日
柴田元幸さん トーク&朗読イベント『MONKEYの出発』開催決定!

柴田元幸責任編集『MONKEY』10月7日に創刊されることを記念して、トーク&朗読イベント「MONKEYの出発」開催が決定いたしました!
柴田元幸(しばた・もとゆき)さんとは…
1954年東京生まれ。東京大学教授。翻訳家。著書に『ケンブリッジ・サーカス』『翻訳教室』など。訳書にオースター『幽霊たち』、ダイベック『シカゴ育ち』、ミルハウザー『ナイフ投げ師』、ラファージ『失踪者たちの画家』など多数。「MONKEYの出発」イベント内容
責任編集を務める翻訳家の柴田元幸さんが、「MONKEY」について語り尽くします。20年以上にわたって翻訳を続けるポール・オースター作品の魅力について、オースター自身との思い出深いエピソードなど、今回のイベントでしか聞けない盛りだくさんな内容です。柴田さんの朗読もご期待ください。開催日 2013年10月28日
時間 18:30会場 19:00スタート(サイン会 20:00)
入場 1500円(限定80名)
場所 長崎書店3Fリトルスターホール
ご予約は、長崎書店店頭、またはお電話にて承ります。
TEL096-353-0555
サイン会について…
このたびのサイン会は、イベント当日会場にて、または、イベント前に以下の本のいずれかを購入していただいた方に限定させていただくこととなりました。ご了承ください。
●『MONKEY』創刊号(10/7発売)
●柴田元幸翻訳叢書シリーズ
「アメリカン・マスターピース古典篇」(10/5発売)
「こころ朗らなれ、誰もみな/ヘミングウェイ」
「喋る馬/マラマッド」
「火を熾す/ロンドン」
●ケンブリッジ・サーカス/柴田元幸(エッセイ集)
上記の合計6点が対象書籍となります。
新創刊の『MONKEY』について

柴田元幸責任編集
「MONKEY vol.1」 10月7日・新創刊
特集 青春のポール・オースター
「MONKEY vol.1」 10月7日・新創刊
特集 青春のポール・オースター
オースターがまだ作家になる前、1960年代に書いた未発表作品『草稿と断片』を、柴田元幸翻訳で一挙掲載。オースターが若き日について語ったインタビューや、作家の高橋源一郎との対談など。
● 創刊号に登場する人々
糸井重里/戌井昭人/小川洋子/川上弘美/岸田秀/岸本佐知子/小島ケイタニーラブ/佐伯誠/神慶太/管啓次郎/高橋源一郎/中西夏之/西川美和/古川日出男/松原始/村上春樹/門馬太喜/バリー・ユアグロー
スイッチ・パブリッシング刊/1000円
<MONKEYに寄せた柴田さんコメント>
「愚かな一貫性は矮小な精神に取り憑くチャチな妖怪である」というエマソンの言葉をモットーとする人間にとって、雑誌を構想する上でも一貫性を打ち出すことにはためらってしまうが、あえて身の程知らずにも、愚かでない、賢明なる一貫性を企てるなら、たぶんこういうことになるだろう。すなわち――言葉が、とりあえず文学と呼ばれているたぐいの言葉が人のこころを動かす力を案外古風に信じつつ、古今東西の新作旧作が雑多に盛り込まれた場をつくるべく全力を尽くす。人生の意味をめぐって書かれた若手作家の新作短篇がシェークスピアのソネット新訳と共存し、現代日本の文学者たちが音楽や映画について語り街について夢想し食べ物について自説を披露するのに並んで、それらのテーマをめぐって書かれた前世紀前々世紀の詩や小説や漫画が創作され古典が翻訳され、当方がもっとも話を聞きたいと思うアーティストたちにそうした問題に関してインタビューする。すべては責任編集の独断というフィルターを通ってはいるにせよ、そうやってできるだけさまざまな時空間を行き来する、とりあえず「文芸誌」という範疇には収まる雑誌をめざす(少し具体的なことをいえば、少なくとも翻訳の質ということでいえば絶対どの媒体にも負けないものにする自信はある)。
だとすると、旧モンキービジネスと何が違うのか?という問いは当然生じるにちがいない。実際、そんなに違わないだろう、と思う。僕は後悔はしょっちゅうするけれど反省はめったにしない人間なので、旧MBについても、「あそこをああすればよかった」とか「あのときああしていれば、まだ続いているかも」とかいった思いはいっさいない。再出発するとすれば、問題点を検討して軌道修正をはかるというよりは、よりMB性(といったようなものがあるとして)を極端に推し進めたもの、より破目を外したものをめざしたいと思う。
柴田元幸
柴田元幸編訳 『アメリカン・マスターピース 古典篇』について

まるで最新作のような古典たち(クラシックス)――柴田元幸が長年愛読してきたアメリカ古典小説の宝庫から選りすぐった、究極の「ザ・ベスト・オブ・ザ・ベスト」がついに登場! 文学史上に輝く不朽の2大名作、ホーソーン「ウェイクフィールド」、メルヴィル「書写人バートルビー」にはじまり、O・ヘンリー「賢者の贈り物」、ジャック・ロンドン「火を熾す」に至る、アメリカ古典文学の途方もない豊かさを堪能できるアンソロジー。ポーのあの「モルグ街の殺人」、ヘンリー・ジェイムズの「本物」の豪華訳し下ろしもたっぷり収録の、贅沢極まりない傑作集。翻訳叢書シリーズ4冊目。
スイッチ・パブリッシング刊/2205円/10月5日発売予定