2009年12月10日
君は永遠にそいつらより若い

津村記久子/著
出版社名 筑摩書房
出版年月 2009年5月
ISBNコード 978-4-480-42612-3
(4-480-42612-4)
税込価格 609円
それではイノギさんが一人になってしまうのではないかと思ったのだ。
彼女を一人にしてはいけないと、わたしはそう思ったのだった。
こんにちは、スタッフのkです。
今回ご紹介するのはこちらです。
津村記久子という作家をつい追いかけてしまうのは、
信頼のおける人物をいつも主人公にしてくれるからです。
最後の最後にあえて損をする選択をしてしまうとか、
自ら人間関係をぶち壊すような発言をしてしまうとか、
人の話をたいていへらへら笑って聞いている、とか。
そういう人の方が、
たとえば借りたものをきっちり返す人より
「信頼できるな」と思えることがあったりします。
何をもって「信頼できる」と判断するのかは、
なかなか言葉にできるものではない
かなり微妙な、デリケートな違いだ、と思うことがあります。
主人公の堀貝佐世(22)は、
生きかたという面においてとても下手です。
わたしが不器用なのはわたしの趣味のせいではなく、
わたしの魂のせいだ、と言って人生のある部分を諦めています。
でも、彼女ほど信頼のおける人物を
小説の中ではほかに知りません。
はじめて読んだとき、
またはじめに戻って続けて2回読みましたが、
そんなことをしたのもこの小説がはじめてでした。
まだこの本に出会っていない人で、
本作を欲している人というのは、
どこかにいるだろうと思います。
私が強制的に「読め」と言われると読まないタチなので
強くすすめることはできませんが、
読み返すたびに、
信頼できるホリガイに会えてうれしい貴重な作品です。
信頼のおける人物をいつも主人公にしてくれるからです。
最後の最後にあえて損をする選択をしてしまうとか、
自ら人間関係をぶち壊すような発言をしてしまうとか、
人の話をたいていへらへら笑って聞いている、とか。
そういう人の方が、
たとえば借りたものをきっちり返す人より
「信頼できるな」と思えることがあったりします。
何をもって「信頼できる」と判断するのかは、
なかなか言葉にできるものではない
かなり微妙な、デリケートな違いだ、と思うことがあります。
主人公の堀貝佐世(22)は、
生きかたという面においてとても下手です。
わたしが不器用なのはわたしの趣味のせいではなく、
わたしの魂のせいだ、と言って人生のある部分を諦めています。
でも、彼女ほど信頼のおける人物を
小説の中ではほかに知りません。
はじめて読んだとき、
またはじめに戻って続けて2回読みましたが、
そんなことをしたのもこの小説がはじめてでした。
まだこの本に出会っていない人で、
本作を欲している人というのは、
どこかにいるだろうと思います。
私が強制的に「読め」と言われると読まないタチなので
強くすすめることはできませんが、
読み返すたびに、
信頼できるホリガイに会えてうれしい貴重な作品です。