コミック紹介しようかい?~Doしようかい~4
「クジラの子らは砂上に歌う」1~5(以下続刊)
梅田阿比/著
秋田書店
本体価格 各429円+税
壮大なファンタジーを漫画で読める幸せ……
砂の海をさまよえる巨大船“泥クジラ”で生きる人々に訪れた出会いと別れ、そして戦いの記録「クジラの子らは砂上に歌う」は現在1~5巻まで発売中。
来たる12/16(東京発売日)には第6巻が発売されます
ファンタジーが好きな人なら読んで後悔はしないはず。冬の夜が長いなら、「クジラの子らは砂上に歌う」を読めばいいじゃない
「私はチャクロ 14歳男性 “泥クジラ”の記録係である。少女“リコス”と私と私たちの船の詳細な記録が残っていたのは、私は何があっても私たちに起こったことを書き続けたからだ」
あの日、“泥クジラ”に何が起きたのか――その全てを、≪過書の病≫(何事も記録せずにはいられない病のようなもの)を持つ少年・チャクロの残した記録が物語ます。
百年もの間、その船には二種類の人間が暮らしてきました。
感情を発動源とする超能力“サイミア”を操り、“印”と呼ばれる短命の種族と、人外の能力は持たないが寿命は長く、“無印”と呼ばれる種族です。
操縦に必要な舵を持たない船で彼らは互いに補い合いながら、彼岸の地を見つけられないまま、長い流刑の時を砂海の上に漂っていたのです。
どうやら、百年前“泥クジラ”に最初に乗り込んだ人々は、何らかの罪を犯したために、逃亡不可能な砂の海に追放されたようなのです。
終わりのない、あまりにも重い罰ですね!一体、何の罪を犯したのでしょうか……?
まだ全容は明らかにされていませんが、舵のない“泥クジラ”がどうやって動いているのか?という謎と等しく、これも物語の根幹をなす秘密のひとつなのでしょう。
漂流の果てに完結した、小さく、だが平穏な“泥クジラ”の世界。
持つ者も持たざる者も、命を繋ぎ、砂の海に生きて死んでいくはずだった……
かつて、彼らを追放した“帝国”の戦艦・スキロスが現れる、その日までは!
砂の牢獄を破るため、今、戦いの幕が切って落とされた!!という緊迫の場面で1巻が終わります
確かな表現力で描かれた世界観はもとより見どころがあり過ぎて書ききれないのですが、語り手であるチャクロをはじめ個性的な登場人物による人間ドラマも本作の魅力です
帝国の兵士としてチャクロと出会い、感情を甦らせていく少女
リコス
素行は悪いが“サイミア”の能力に優れ、外の世界に憧れている
オウニ
“泥クジラ”の次期首長候補として皆の信頼が厚く心優しき
スオウ
敵対する人物としては、殺戮の快楽に手を染める兵士
リョダリ
そして、“泥クジラ”殲滅作戦の指揮を執る
オルカはリコスの兄でもあります。
戦いから生まれた憎しみは、人を変えてしまうのか?
それとも新たな出会いは、救いをもたらすだろうか?
過酷な世界だからこそ、鮮烈で哀しい人々の心の変遷に惹きつけられるストーリーです。
生きるため、仲間と共に戦うことを選んだチャクロたちの航海に果てはあるのか!?
自由を掴み取るその日まで、歌えクジラの子らよ
秋田書店の公式サイトで試し読みができます
「クジラの子らは砂上に歌う①」試し読み
佐藤
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