てつぞうはね

ながしょ

2013年09月27日 17:29



「てつぞうはね」
ミロコマチコ・作
ブロンズ新社
定価1,470円

第18回日本絵本大賞受賞作『オオカミがとぶひ』(イースト・プレス)、
少年の果てしない想像を描いた『ぼくのふとんはうみでできている』(あかね書房)
に続くミロコマチコの絵本第3弾!

それは愛猫・てつぞうと過ごした日々……
てつぞうはね わたしのねこ
しろくて ふかふかの ねこ
すわると おにぎり みたい
すっごく でっかい おにぎり


ミロコマチコさんは「てつぞう」という名前の白い猫と暮らしていました。

春は桜の花びらを追いかけて
夏はひんやりする洗面台がお気に入り

秋は雷におびえて
冬はお風呂場のあたたかいマットから動かない

好きな食べ物はハム。はみがき粉のにおいも大好き。

てつぞうは、そんな猫だったそうです。

なにげないことでも、そこに誰かがいっしょにいたから思い出になっている。
そんなことが、私たちの毎日の暮らしの中にもあるんでしょうね。
どのページの絵も文章も、てつぞうとの愛おしい記憶に満ちています。

8度目の冬にてつぞうが亡くなって…再び春がきた時、ミロコさんは捨てられた2匹の猫と出会います。

「ソト」「ボウ」と名付けられた2匹の猫は、てつぞうのトイレでおしっことうんちをして、てつぞうが使っていたお皿でごはんを食べます。
ひんやりする洗面台でいっしょに眠り、そして春になると、桜の花びらを追いかけます。

愛猫との思い出も死んでしまった悲しみも一緒に、日々を歩む前向きな気持ちにあふれた一冊です。



てつぞうメッセージカード付きです
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