てつぞうはね
「てつぞうはね」
ミロコマチコ・作
ブロンズ新社
定価1,470円
第18回日本絵本大賞受賞作『オオカミがとぶひ』(イースト・プレス)、
少年の果てしない想像を描いた『ぼくのふとんはうみでできている』(あかね書房)
に続くミロコマチコの絵本第3弾!
それは愛猫・てつぞうと過ごした日々……
てつぞうはね わたしのねこ
しろくて ふかふかの ねこ
すわると おにぎり みたい
すっごく でっかい おにぎり
ミロコマチコさんは「てつぞう」という名前の白い猫と暮らしていました。
春は桜の花びらを追いかけて
夏はひんやりする洗面台がお気に入り
秋は雷におびえて
冬はお風呂場のあたたかいマットから動かない
好きな食べ物はハム。はみがき粉のにおいも大好き。
てつぞうは、そんな猫だったそうです。
なにげないことでも、そこに誰かがいっしょにいたから思い出になっている。
そんなことが、私たちの毎日の暮らしの中にもあるんでしょうね。
どのページの絵も文章も、てつぞうとの愛おしい記憶に満ちています。
8度目の冬にてつぞうが亡くなって…再び春がきた時、ミロコさんは捨てられた2匹の猫と出会います。
「ソト」「ボウ」と名付けられた2匹の猫は、てつぞうのトイレでおしっことうんちをして、てつぞうが使っていたお皿でごはんを食べます。
ひんやりする洗面台でいっしょに眠り、そして春になると、桜の花びらを追いかけます。
愛猫との思い出も死んでしまった悲しみも一緒に、日々を歩む前向きな気持ちにあふれた一冊です。
てつぞうメッセージカード付きです
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