気になる新刊
こんにちは、スタッフの児玉です。週に一回ほど、気になる新刊をまとめて紹介していきたいと思います。
1冊目は、少女と虫をテーマにした奇妙で幻想的な作品を得意とする、アニメーション作家にして漫画家の近藤聡乃(こんどうあきの)さんの初めてのエッセイ集『不思議というには地味な話』です。この本は、近藤さんのブログ「ニューヨーク滞在制作記」を纏めたもので、52の挿絵と、描き下ろしを含む漫画2編を収録した魅力的な1冊。帯の「おだやかに怖い。」という惹句が絶妙です。
不思議というには地味な話/近藤聡乃/ナナロク社/1680円
こちらはなんと、世界初のジャズ研究書。著者はフランスのアンドレ・シェフネルで、「贈与論」などを書いた文化人類学者マルセル・モースの弟子だった人です。いわば<ジャズの考古学>と言える本書は、「ジャズが圧倒的にダンス音楽だった時代」に書かれた刺激に満ちた1冊。
始原のジャズ アフロ・アメリカンの音響の考察/アンドレ・シェフネル 著/昼間賢 訳/みすず書房/3570円
”私の生涯を最初から最後まで忠実に書き記したなら、誰もが驚くにちがいない。”と言ったという色彩の魔術師アンリ・マティスの評伝決定版とも言える本が発売されました。貴重な新資料を駆使して書かれたという本書は、既存のマティス観を塗り替える画期的一冊として、高い評価を得ているそうです。
マティス 知られざる生涯/ヒラリー・スパーリング 著/野中邦子 訳/白水社/7140円
こちらは新刊と言いますか、今月重版された本です。代表的詩集『こがね虫』『鮫』『蛾』『落下傘』『愛情69 』から選ばれた詩を編纂した金子光晴のアンソロジー的詩集です。当店でも人気のある詩人です。
金子光晴詩集/清岡卓行 偏/岩波文庫/987円
ちょうど1年前に出版され15万部のベストセラーとなった大野更紗さんの『困ってるひと』が緊急文庫化。「強くなりたいすべての女子に
絶対おすすめです!」と中川翔子さんもお勧めする本書は、昨年様々な文学賞を沸かせた、紛れもない傑作エッセイです。
困ってるひと/大野更紗/ポプラ文庫/672円
以上、今回は5冊。店頭にて販売中です。
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