新刊の紹介と水俣・福岡展のお知らせ

ながしょ

2013年05月02日 20:14



熊本市在住の写真家、塩田武史さんの新刊『水俣な人 水俣病を支援した人びとの軌跡』が届きました。45年間にわたって水俣の写真を撮ってきた中で塩田さんは、全国から水俣へ駆けつけ支援した人びとを秘かに「水俣な人」と呼んでいたといいます。この本は、特に63人の「水俣な人」に光を当てた記録写真集となっています。つまり闘いの記録でもあるはずの本書ですが、塩田さんの語るエピソードを読んで励まされる思いになるのはもちろん、明るくユーモラスな方のエピソードについ笑わされてしまう個所も少なくありません。写真も笑顔のものが多いです。ぜひご覧になってみてください。
水俣な人 水俣病を支援した人びとの軌跡/写真と文 塩田武史/未来社/2940円






水俣市立図書館館長、市立水俣病資料館館長を経て、現在、水俣市健康高齢課課長補佐を務められている坂本直充さんが詩集を出されました。坂本さんは、ご自身も水俣病の様々な症状を抱えながら生き抜いてこられた方です。故郷である水俣を愛し、水俣に生きた人びとを愛し、しかし同時に水俣病が大きな問いとしてあり、ことばが詩に結実するまでには長い年月がかかったとおっしゃっておられます。水俣病も含めた、水俣への複雑に混じり合った気持ちがこの詩集から感じられると思います。石牟礼道子さんが推薦のことばを、柳田邦夫さんが特別寄稿を寄せておられます。
光り海 坂本直充詩集/坂本直充/藤原書店/2940円









1996年の東京での開催以来、全国各地で開催されてきた水俣展が、今月15日より福岡市で開催されます。展示のほかにも、会期中、ホールプログラムとして水俣病患者の方と作家さんらとの講演と対談の企画がいくつか用意されています。詳しくはこちらをご覧ください→水俣・福岡展のHP
機会のある方は、ぜひご来場ください。
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