100%幸せな1%の人々

ながしょ

2012年11月16日 11:10

中経の文庫 こ-12-1

小林正観/著
出版社名 : 中経出版
出版年月 : 2012年9月
ISBNコード : 978-4-8061-4507-3
(4-8061-4507-6)
税込価格 : 650円
頁数・縦 : 282P 15cm





こんにちは。スタッフの石川です。

今日、ご紹介するのは、「100%幸せな1%の人々」という本です。

人は幸せだと思っていても、100%幸せかと聞かれると、そうではないと答えてしまう人がほとんどではないでしょうか。
幸せを感じながらも、何か心配事を抱えていたり、悩み事を抱えています。

では、100%幸せになるにはどうしたらいいのでしょう?

そのためのヒントがいくつかこの本に紹介されています。

これを全部できるようになるのは難しいかもしれませんけど、少しでも実践できれば、いまの70%の幸せが80%になったり90%になったりするのではないかと思います。

その中で「迷惑をかけること」についてご紹介したいと思います。


「人に迷惑をかけたくない」と意気込むより、
「迷惑をかけながらでしか生きられない」と思い、まわりのすべてに感謝する

すごく怒っている人がいました。
「人に迷惑をかける生き方はしたくない。自分も人に迷惑をかけない分、人に迷惑をかけて生きている人は許せない。
とくに暴走族などは迷惑ばかりかけているのではないか」というような話をされました。

暴走族が迷惑をかけていない、ということを言いたいのではありません。
「私は迷惑をかけていないけれども」ということについて、ちょっと気になりました。
「私は人に迷惑をかけていないが」という考え方の中には、「私は何も迷惑をかけずに自分の力で生きている。私は正しく生きている」という意識があるように思います。
本当にそうでしょうか?

人間はたくさんのもの、人、動物、植物に迷惑をかけながら生きているのではないでしょうか。
生きていくために米や麦を何百万粒と殺し、生涯に魚を何千匹、牛やブタをまるごとで言うと何頭、何十頭食べてきたかわからないのです。

山道をクルマで走っているときに、蟻が必死になってものを運んでいるその行列をタイヤで踏みつぶしてきたかもしれません。
刺されたと言っては、腕に止まった蚊をバシッと叩き殺し、食卓に止まったハエをハエ叩きで殺していたかもしれません。
ただそれに気がついていなかっただけなのです。
自分が生きるためにどれほど他の動物や生物たちに迷惑をかけてきたか、わかりません。

「迷惑をかけないで生きるぞ」というのは一面では正しい考え方かもしれません。
しかし、もう一歩進んでものを考えると、「人間は他の存在物に対して迷惑をかけていない」ということなどありえないと気づきます。
「迷惑をかけなければ生きていけない存在である」ということに、考え方を変える方がよいのではないでしょうか。

「迷惑をかけていない」と思うこと、あるいは「迷惑をかけないで生きていくぞ」と決意することよりも、「迷惑をかけている存在なのだから、その自分を支えてくださっている存在物たちに対して心から感謝をし、感謝しながら生きていく」ことの方がずっと前向きでラクなのではないでしょうか。

(本文より)


たしかに、私たちは誰の世話にもならずに、誰にも迷惑をかけずに生きていくことはできないと思います。
できるだけ迷惑をかけない生き方はできたとしても、誰にも迷惑をかけない生き方はできないのではないでしょうか。

そして「迷惑」という考え方ですけど、それは受ける側の感じ方であって、自分が決めれることではないと私は思います。
たとえば家族が風邪で寝込んで看病したとしたら、それを迷惑と感じる人はいないでしょう。
その人はそうしたいからしたいのであって、もっといえば、家族のために何かしてあげられることが喜びだと感じるかもしれません。

何が迷惑なのか、決めるのは自分ではなくて他人です。
だから自分が迷惑をかけていないか気に病むよりも、その人たちに少なからず迷惑をかけていることを前提として、その人たちに感謝しながら生きた方が、自分も相手もラクに幸せに感じるのではないでしょうか。

迷惑をかけない生き方を目指すとき、迷惑をかけている他人の行動が許せなくなります。
自分が正しい生き方をしようとすればするほど、人の小さな行動も気になり、自分の心が苦しくなるのではないでしょうか。

太陽の光が強くなればなるほど、地面にできる影も濃くなります。
人間の心にも同じことが言えるのではないかと思います。

あたたかな光と、ほのかにできる淡い影、そのバランスがとれている人ほどラクに穏やかに生きていけるような気がします。

今日、一日でどれだけの存在に迷惑をかけたかわかりません。
それでも一緒にいてくれる人たち、存在たちのおかげで、いまの私は生きていけます。

いつもありがとうございます。



今日も幸せな一日となりますように。


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