気になる新刊とロングセラー

ながしょ

2012年11月10日 18:23



こんにちは、スタッフの児玉です。5冊紹介いたします。

特に目立たせているわけではないのですが、ゆっくりと、しかし着実に売れ続けている歌集があります。石川美南(いしかわ・みな)さんの歌集「裏島」と「離れ島」です。画像は「裏島」です。たとえば、
  空色の胸をかすかに上下させ呼吸してゐき折り紙の犬
  肺の中に生まれてはすぐ死ぬ小鳥くるしいわ、く、る、しい、過呼吸は
  湖のちかくで生まれ育ちたる朝彦といふ名のギタリスト

大変ユニークな歌を詠む方です。
裏島/石川美南/本阿弥書店/1365円
離れ島/石川美南/本阿弥書店/1260円






“左からみると三行詩が25こ入ったこどものページ、右からみるとエッセイが25こ入った大人のページ。”
谷川俊太郎さんと安野光雅さんお二人による企画の最新刊が出ました。ノートなのでもちろん書き込めます。画像は左が左から見たときの表紙、右が右から見たときの表紙です。
すき好きノート/谷川俊太郎(著)・安野光雅(装画)/アリス館/1365円









詩の歴史を語るうえで欠かすことのできない詩誌「荒地」にも参加していた、北村太郎の全詩集が出ました。資料多数、写真多数、豪華執筆陣によるエッセイ・論考も収録された決定版。
北村太郎の全詩篇/北村太郎/飛鳥新社/12600円









帯にはSF作家の瀬名秀明さんの「科学の本を読んで、初めて涙が溢れた」との推薦文があります。生徒と先生の手紙のやり取りが物語の軸となっていますが、彼らは手紙の中で、良いことがあった時も悪いことがあった時も数学のこと以外は語らないという暗黙のルールの中で30年ものあいだ文通を続けていきます。そこには定理以上に根源的なものを見出していく二人の姿があります。
ふたりの微積分 数学をめぐる文通からぼくが人生について学んだこと/スティーヴン・ストロガッツ/岩波書店/1995円









ゴダールファンにはこたえられない本が出ました。ゴダール自身とスタッフ・キャストの証言、シナリオ、製作資料などを通して、映画創作の過程がのぞけます。写真カラー86点、モノクロ816点収録。ぶ厚い1冊。
六〇年代ゴダール 神話と現場/アラン・ベルガラ/筑摩書房/10290円


以上、店頭にて販売中です。
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