族長の秋
族長の秋
改訂新版
集英社文庫 カ7-1
ガブリエル・ガルシア=マルケス/著
鼓直/訳
出版社名 : 集英社
出版年月 : 2011年4月20日
ガルシア・マルケスの『
族長の秋』が復刊されました。
架空の国に君臨する大統領は
200歳以上だとも言われる奇人。
様々な語り手たちによって引きずり出される
愚劣で残虐な独裁者の、
滑稽で孤独な姿。
ガルシア・マルケスの面白さのひとつは
マジックリアリズムという言葉で表わされるように
描かれている、現実と幻想が混然一体となった凄まじき想像力の世界。
彼が諸作品で一貫して主題のひとつとしたのが孤独でした。
『族長の秋』は、とにかく止めどなく語られます。
語り手が変わる時の数行の空きを除くと、
ページの中はきれいに文字で埋まっています。
それが(おおむね)苦痛でないから不思議です。
マルケスは、
最近雑誌のPenでも特集され注目度が再び上昇中のヘミングウェイや
カフカ、フォークナー、ジョイス、ウルフなどの影響を受けた作家。
川端康成の『眠れる美女』により着想を得て書かれた作品もあります。
逆にマルケスに影響を受けた作家は数知れず、
日本人作家では安部公房、大江健三郎、中上健次、池澤夏樹などなどが代表的。
最近だと桜庭一樹が影響を受けているのは知られています。
これらの作家さんの名前にピンときた人は
ぜひ一度マルケスもどうぞ。
当店には近日入荷予定です。
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