甘酸っぱいやつ
「谷川史子傑作選 きみのことすきなんだ」
谷川史子/作
集英社
税込650円
魚屋の男の子が好きになったのは、魚嫌いの女の子。
表題作「きみのことすきなんだ」他5篇収録のコミックです。
ふと、甘酸っぱいやつが読みたいと思った時に出会った谷川史子作品。
初・谷川史子。
お店に在庫がないのであれですけれども、よかったのでおすすめします。
おはようございます。スタッフのSです。
この本はオトナファミ1月号で紹介されていました。オトナファミはおもしろいですね。
日がな一日部屋でごろごろするのが楽しい人にはぴったりなインドア雑誌なのです。
スタッフSは、会社から帰れば部屋に閉じこもり、晴れの日も部屋に閉じこもる毎日。
半径3mの日々に、このままでは干からびてしまうという危機感のもと手に取った1冊です。
今回初めて谷川史子さんの作品を読みました。90年代のりぼんっ子はよくご存知の作家さんだと思います。
ひとつひとつ、丁寧に作られたお話。
登場人物それぞれの、人を思う気持ちがすごくひたむきです。
絵はかわいいのだけれど、好きな人の一挙一動に喜んだり落ち込んだり、気持ちを言葉にしたいのにすれ違ったりという恋心の苦しさが描かれています。
モノローグの間も、好きです。
文章ではうまく伝えられませんが、「ああ、こんな気持ち分かるなあ」と読者に共感させてしまう、あの独特の間。少女漫画を読む時はモノローグを楽しまなくちゃですよ。
「きみは魚の嫌いな女の子で 僕は魚屋の息子
わかってる
でもどうしようもないんだ とめられないんだ
ぼくは
きみのことすきなんだ」
干からびそうな時の経口補水液的な本として。
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