図書館の神様
文庫せ 11― 1
瀬尾まいこ/著
出版社名 (株)筑 摩 書 房
出版年月 2009年7月
ISBNコード(13桁) 978-4-480-42626-0
ISBNコード(10桁) 4-480-42626-4
税込価格 525円
ずっと描いていたものから、外れた道を歩き始めた私からは、次第に清さも正しさも薄れていった。どんどんいい加減に投げやりになった。不思議なことに清さや正しさを手放す代わりに、私の体は少しではあるけれど、強くなっていった。精神と身体は逆方向に動くのだろうか。
こんにちは、スタッフのKです。
昼間、何やら騒がしいと思って窓から外をのぞいてみたら、神社の参道が駐車場になっていました。
七五三でした。
参道が封鎖されるのは正月と祭りのときだけだと思っていたので、びっくりしました。
今も七五三を祝われる方は多いのですね。
さて、今日は瀬尾まいこさんです。
冒頭の文章から惹きつけられ、主人公の”清”に興味を持ちました。
彼女はいつも清く正しくあることに重きを置いていました。それは彼女の思春期の間も例外ではなく、不安定になりがちなこの時期も、しっかりと地に足を付いてまじめにまっすぐ育ちます。
しかし、その健全な精神とは裏腹に、彼女の身体は大変なアレルギー体質でした。四つ足動物の肉を食べると吐き気に襲われ、甲殻類を食べると下痢を催し、辛いものを身体に入れると頭痛を起こし、刺激物を食べると鼻血を流すという風に、彼女がさわやかな朝を迎えられる日は皆無でした。
そんな彼女が中でも一番誠実だったのが、バレーボールに対してでした。青春時代のそのほとんどをバレーボールに費やし、遊ぶ間も惜しんで練習を重ねます。バレーボールが彼女のすべてでした。将来は体育大学に進み、ずっとプレイをするはずでした。ところが・・・
ここまでで、なぜ、図書館の神様なの?と疑問に思われた方は読んでみてください。
この文庫に収録されているもう一つの短編、「雲行き」も結構楽しめました。
どちらも短いお話なので、サクサク読めますよ。
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