アホは神の望み

ながしょ

2009年10月27日 11:10

村上和雄/著

出版社名 サンマーク出版
出版年月 2008年9月
ISBNコード 978-4-7631-9842-6
(4-7631-9842-4)
税込価格 1,680円
頁数・縦 204P 20cm







大きく深い鈍さをもて!
利口であるより、
愚直であれ!

バイオテクノロジーの世界的権威がたどり着いた究極の知恵


こんにちは。スタッフのIです。

今日、ご紹介するのは、「アホは神の望み」という本です。

とても変わった題名の本で、最初見たときは、私も「どんな本なんだろう??」と思いました。


著者の村上和雄さんは、世界に先がけ、高血圧の黒幕である酵素「レニン」の遺伝子解読に成功し、一躍世界的な業績として注目を集められた方です。
現在ノーベル賞の有力候補とされる注目の人で、最先端の遺伝子工学の研究から、「感性と遺伝子は繋がっている」ことを究明されました。
想像をはるかに超える人間の持つ偉大な可能性を開花させる「眠れる遺伝子の目覚めさせ方・考え方」を解き明かし、科学に身を置きながら、哲学、宗教、宇宙観をも包み込む独自の世界観を展開されています。

この本の中で、村上さんは、こざかしい利口者よりは真っ直ぐなアホになれとおっしゃっています。

正直で勤勉で一徹で、どこか抜けているお人よし。
知識や学問は少ないが、コツコツと自分の信じる道を地道に歩み、手間や回り道を惜しまない。
時代遅れで融通もきかず、利にも疎いが、ゆったりかまえて、焦らず、屈せず、くさらず。

「おれが、おれが」でなく、「アフター・ユー(お先にどうぞ)」の精神をもち、頭は悪いが心は豊かで、わずかなことで満足できる。

あるいは、そんなに立派ではなくても、単純で感激屋で、人を楽しませるのが好きで怖さ知らず。
おっちょこちょいで根拠のない自信にあふれていて、能天気でよく笑い、失敗を恐れない。
ムダ話や寄り道が多く、いばらず、かざらず、かっこつけない。
信じやすいがものごとを決めつけず、忘れっぽいがあきらめない。

そのせいで、「アホやなあ」「バカだなあ」、そう人からあきれられ、愛されもする人。
フーテンの寅さんみたいな、愚かという「徳」をもった人。

そういう人が神からも好かれ、利口な人より時間はかかっても、大きな幸せを手に入れることができるのだと思います。
最後には、カメがウサギを追い抜くように、バカは利口を超えるところがあります。
利口とは、ある範囲内において限界まで届く知性のことですが、バカやアホというのは、その限界をあっさり超えてしまうことがしばしばあるからです。

そういう、こざかしい理屈や常識の枠を超える「大きな愚かさ」。
鈍いけれども深い生き方。
その復権が、いまこそ必要なのではないでしょうか。


知識をたくさん持っている人、頭の回転がすごく速い人、そういう人は本当にすばらしいと思います。

でも知識がたくさんあるからこそ、その知識以上のことができなくなってしまうときがあります。

「教科書にこう書いてあるから、きっとこうに違いない」


だけど、素直で実直な人は、自分でそれを体験しようと自ら挑戦し、そこに記されている限界をあっさり超えていってしまうのです。

「教科書にはこう書いてあるけど、私はこうだと思う」


その人は心を大切にできる人でしょう。

頭で考えても知識以上のことはできません。


大切なのはどれだけのものを知っているかではなくて、どれだけ自分の心で信じたものを最後までやり抜くことができるか、ではないでしょうか。

村上和雄さんの生き方からはそういう信念がいつも感じられます。


大事なのはできるかできないかではなくて、それをしようとするかどうか。

そしてしようとしたことは、必ずやりとげることができる。

成功するまでやりつづければ、失敗することは決してないのだから。



今日も幸せな一日になりますように。






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