ヘヴン

ながしょ

2009年09月17日 00:00



川上未映子/著

出版社名 講談社
出版年月 2009年9月
ISBNコード 978-4-06-215772-8
(4-06-215772-1)
税込価格 1,470円
頁数・縦 248P 20cm





こんにちは、スタッフのk.kです。
今回紹介する本はこちら。


「地獄があるとしたらここだし、
天国があるとしたらそれもここだよ。
ここがすべてだ。
そんなことにはなんの意味もない」


文芸誌『群像』に掲載されたときから、話題沸騰だった本作。

著者の川上未映子はテレビ番組でも特集され、その影響か、
当店でも掲載誌は完売しました。
(私もこのテレビ見ました。とても面白かった!)

14歳の男子と女子をとりまくこの物語。
男の子も女の子も、それぞれ別の理由で「いじめ」を受けています。
ある日、男の子に女の子から手紙が届く。
『わたしたちは仲間です』……。


私はこの小説を読みながら、何度も心打たれる体験をしました。
あるときは励まされ、
あるときは責められ、
あるときは穏やかな気持ちに包まれ、
また、あるときは絶望し……。

読む人によって、どうとでも読めてしまえる本だと思います。


ちなみに冒頭に太字で引用したのは、
いじめる側にいる「百瀬」という人物のセリフなのですが、
彼の言っていることにも、実は圧倒的な正しさがある。
読みながら、自分の価値観のモロさを繰り返し味わいました。


善と悪、生と死、哲学と宗教。
テーマは重いですが、まずはページを開いてみることをオススメします。
読み終えるまで、この小説から目を離すことができないんじゃないでしょうか。

これはきっと、ここに生きるクレバーな14歳たちから私たちへと突きつけられた、
挑戦状なんだと思います。

それくらい切実さに満ちている小説です。

関連記事