もの食う人びと

ながしょ

2009年09月07日 00:31




角川文庫
辺見庸/〔著〕 

出版社名 (株)角川グループパブリッシング                        
出版年月 1997年6月
ISBNコード(13桁) 978-4-04-341701-8
ISBNコード(10桁) 4-04-341701-2

税込価格 720円


 

 こうして旅をしていると、世の中にはたしかにいろいろおいしい食べものがあると思う。「これは死ぬほどうまい!」と世界中に叫びたくなるほどのものは、しかし、そうはない。
 その、めったにないことに、今回ついにめぐりあえた。ほっぺたが落ちる、あごが落ちるどころではない。おいしさに体が震えた。舌が踊り、胃袋が歌いだした。生きてあり、ものを食うことの幸せをしみじみ嚙みしめた。


それは一杯の熱いスープだった。





こんにちは、スタッフのKです。

辺見さんが食べた、「死ぬほどうまい」スープの味ってどんな味だったのでしょうか。
それはもしかしたら、何が起こるか分からないような危険な場所で労働した後に食べたので、「死ぬほどうまい」と感じたのかもしれません。


 鉱員クラブの食堂で、それは出たのである。

 ボグラッチという見た目にはどうということもない、茶色い、具だくさんの田舎スープ。



「もの食う人びと」は、辺見 庸さんが体を張って旅をしながら、その土地の人々の「食」の交わりを描いたルポルタージュです。
ダッカの残飯から、チェルノブイリの放射能汚染スープまで、あらゆる国々の食に触れることができます。
これを読めば、普段の食事もいっそうおいしく感じることができるでしょう。





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