こんにちは。スタッフのIです。
今日、ご紹介するのは、「読むだけで心から励まされる言葉」です。
武将、学者から実業家まで、ひろく日本の傑人たちが遺した名文句のなかから、現代人に勇気と希望をもたらすための言葉を精選して一冊にまとめられた本です。
この中から私が好きないくつかの言葉をご紹介したいと思います。
人生は決して、あらかじめ定められた、
すなわち、ちゃんとできあがった一冊の本ではない。
各人がそこへ一字一字書いていく白紙の本だ。
生きていくそのことがすなわち人生なのだ。
(大杉栄「社会的理想論」)
生きていくことこそが人生です。
目の前に人生があって、そこに向かって歩いていくのではなく、その歩く一歩一歩こそが人生です。
イエスは「わたしは道であり、真理であり、生命である」と言いました。
私たちが目の前にある道を歩いていくのではなく、私たち自身が道であるということです。
私たち自身が道であるとき、道から外れることは決してありません。
道に迷うことも決してありません。
もしあるとすれば、自分(道)を見失っているときです。
いつも自分自身が羅針盤、正しい方向を指し示してくれる聖なる地図です。
宝の地図を外に求めるのではなく、自分自身の地図を信じて歩きつづけましょう。
天にありては星、
地にありては花、
人にありては愛、
この世に美しきものの最たらずや。
(高山樗牛)
天空に輝く星が美しいのは、暗闇の中で輝くから。
私たちの心の中の愛も、闇の中でこそ大きく輝きます。
花が本当に美しいのは、美しく咲こうとして咲いているのではなく、自然に咲いているから。
私たちの心の愛が本当に美しいのは、愛そうと努力しなくても自然にあふれ出すから。
天の星のように、地の花のように、心に愛を輝かせましょう。
知らないのは恥ではない。
知ろうとしないのが恥である。
(澤柳政太郎「学修法」)
知らないことは、かっこ悪いことではありません。
知らないことを知らないと認められないことが、かっこ悪いことです。
知らないとは本当はすばらしいことです。
なぜならこれから知ることができるから。
何でも知っているつもりの人より、何も知らないと素直に認められる人の方がすばらしい。
なぜならこれからすべてを知っていくことができるから。
健康な人には病気になるという心配があるが、
病人には回復するという楽しみがある。
(寺田寅彦「KからQまで」)
いちばんてっぺんまで来た人はこれから下がっていくだけですが、いちばん底まで来た人はこれから上がっていくだけです。
下がることは「上がる」ことの一部でしかなく、失敗とは「成功」への道の途中に過ぎません。
自分がどの場所にいるかで自分の価値を決めるのではなく、自分がどこに向かっているかで自分の価値を決めてください。
どん底にいてこれからてっぺんに向かうのであれば、あなたの価値はいつもてっぺんです。
自己に閉じ込められ、
自己にこだわっている間は、
世界を真に見ることができず。
自己が自由に、自在に動くとき、
世界もいきいきと生動す。
(道元「正法眼蔵随聞記」)
自分を閉じ込めるとき、狭い視野、狭い考えにとらわれます。
そういうとき、世界はとても窮屈で、救いがないように見えます。
反対に自分を開放し、自由でいられるとき、世界はとても広く、輝きに溢れているように見えます。
世界は私たちの以前に存在するのではなく、私たちの心によってその後初めて現れるものです。
鏡に映った自分(世界)を笑わせたいなら、まず自分が鏡に笑いかけることです。
世界を真に見るとは、自分を真に見るということ。
世界を切り開くとは、自分を切り開くこと。
世界を救うために、まずは自分を救い出しましょう。
「闇があるから光がある」
そして闇から出てきた人こそ、
一番ほんとうに光の有難さが分るんだ。
世の中は幸福ばかりで満ちているものではないんだ。
不幸というものが片方にあるから、
幸福ってものがある。
(小林多喜二「書簡集」)
ふたつのものが存在するとき、そのどちらかだけでは世界は成り立ちません。
右があるときは、左があり、上があるときは、下がある。
ここがあるとき、あそこがあり、過去があるとき、未来がある。
幸福だけでは世界は成り立ちません。
同時に存在する不幸があるから、本当の幸福がわかるのです。
そして本当の意味では不幸というのはありません。
幸福になる旅の途中、幸福に気づくまでの忘却の期間を、私たちがそう呼んでいるだけだからです。
旅のゴールも旅のスタートも、その途中の道のりも、すべてが幸福の道。
孤独を感じたからこそ誰かがいる喜びを、
思いっきり泣いたからこそ心から笑える喜びを、
私たちは本当に心から感じることができるのではないでしょうか。
そのひとつひとつを感じることができる幸せに、どうか私たちが気づくことができますように。