おこだでませんように

ながしょ

2009年04月26日 17:54

「おこだでませんように」
くすのきしげのり・作
石井聖岳・絵
小学館
税込価格1,575円








こんにちは。スタッフのSです。
今回は子どもに接することが多い大人の方におすすめの絵本をご紹介します。

あとがきより
「おこだでませんように」
そう書かれた小さな短冊を見たとき、私は涙が出そうになりました。
短冊を書いた男の子は、いつも怒られているのでしょう。この子が、楽しいと思ってしたことや、いいと思ってしたことも、やりすぎてしまったり、その場にそぐわなかったり、あるいは大人の都合に合わないからと、結果として怒られることになってしまうのかもしれません。(くすのきしげのり)
「ぼく」はいつもおこられてばかりいる男の子です。
兄妹で遊んでいて妹を泣かせてしまうと、「ぼく」はお母さんから叱られます。

「またいもうと泣かして!」
(いもうとのくせにわがままいうからや)

「まだ宿題してないの!」
(いもうととあそんでやってたからや)

この男の子にも言い分はあるのですが、黙って怒られっぱなしです。
叱る大人の立場からすると、子どものそういう態度を見て、どうして何も言わないのか?ちゃんと反省してんのか?と、つい語調がきつくなってしまうかもしれません。
言いたいことがあるのに、それをうまく言葉にできないから、言い返したらもっと怒られてしまうからと、黙り込んでしまう子どもの気持ちもとてもよく分かります。
このお話は、読む人それぞれの立場によって、異なる意見が出そうなところがおもしろいですね。

私には子どもがいないので親の視点からこの絵本を見ることができませんが、たとえ学校などで理不尽な思いをしても、安心して帰れる家庭があるということは幸せなことだと感じました。



関連記事