大きな木のような人

ながしょ

2009年04月17日 09:00

「大きな木のような人」
いせひでこ/作
ジョルジュ・メテリエ/監修 
講談社
税込価格1,680円







こんにちは。スタッフのSです。

「ルリユールおじさん」で製本職人と少女の交流、パリの街の空気をしっとりと描いたいせひでこさんの新作絵本です。
今回の表紙も、人と人のつながりを感じさせるいい表紙ですね。
人はみな心の中に、一本の木をもっている。

緑濃きパリの植物園。
ひとりの少女が、植物園のあちこちで絵を描いています。
少女の名前は、<さえら>といいました。

さえらはある日、植物園の花を引きぬいてしまいました。おじいちゃんへのプレゼントにしたい一心でやったことでしたが、このことがきっかけで、ある植物学者からひまわりの種を貰います。
さえらは自分の背丈より遙かに大きな木を見上げて、「わたしのひまわりも、あなたのように大きくなると思う?」と聞いてみるのでした。季節は夏から秋に、移り変わっていきます…

さえらと植物学者の交流を軸に、人と植物のつながりを四季を通して描いた本作品。
確かな画力で、画面から植物園の緑のにおいや木漏れ日を感じます。
いせさんは実際にパリの植物園に足繁く通い、四季折々の木や花を観察したそうです。
スケッチ帖を片手に、植物園のあちこちに現れるさえらは、著者自身の姿を反映しているのかもしれません。
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