銀色ナイフ

ながしょ

2009年01月12日 12:00

著者 銀色夏生
出版社 角川書店
出版年月 2007年9月
ISBN 978-4-04-167366-9
税込価格 660円
分類 文庫/日本文学




感情は、自分の輪郭を教えてくれる。
感情が自分だと思っている人は多いが、感情が自分ではない。
感情は自分の思い込みの輪郭を教えてくれる。
輪郭をつかめれば、その形を変えることもできる。
今ここにいる意味を、いつも問い続けていたい。
(銀色ナイフより引用)
こんにちは。
スタッフのNです。

銀色夏生さんの考え方には、とっても共感できる部分がたくさんあります。
だから約10年もの間、私は彼女の本を読み続けてきたんだと思います。

この銀色ナイフは、銀色夏生さんが2006年11月から2007年3月の間に書かれたもので、銀色夏生さんがぎゅーっと濃縮されているような本です。
しかも彼女らしい、淡々とした語り口。
これは好き嫌いはっきりわかれると思います。
わかる!!って共感できるものもあれば、目から鱗が落ちたような感覚になるものもあって、グサッと心に刺さるようなものもあって、でも全体的に私はこの本は好きでした。

その中でも特に共感した部分をふたつ紹介します。

苦しみって、人にもうまく伝えられないし、代わってももらえない。本当の意味で理解もされにくい、自分だけのものだ。苦しんでいる間はとても孤独だ。
だけど、苦しんでいるという自覚、苦しんだという自覚は、必ず自分の力に、やがてなる。それは自信のもとになる。ずっとずっとたってから、それはすごい強さになる。自分独特の、強さになる。
(銀色ナイフ「苦しんだという自覚」より引用)
自分が苦しんでいることを理解してほしいと、昔思っていました。
しかし、苦しいことって自分だけにしかほんとうに理解できないんですよね。
それに気がついて、頑張って苦しみに耐えたからこそ、自分は少しだけ前の自分よりは強くなれたような気がしました。
きっと同じような苦しみがこの先の人生でやってきても、そんなに苦しくないでしょう。
それは、その種類の苦しみを耐え抜いたからこその自信ですよね。
今苦しみを感じている人も、その苦しみを乗り越えたらきっと、大きく成長できます。
苦しみは、自分を成長させるための段階だと思えば、そんなに悪いものではないですよね。


気づいた時に、すべてが変わる。
いきなり変わる。世界はなにも変わらないけど、自分が変わるから見え方が変わる。
(銀色ナイフ「気づいた時に何かが変わる」より引用)
とあることを考えていて、あ、そうか!!っていう瞬間が来ます。
目の前がひらけたような感覚で、何もかもが新鮮に見えてしまうのですね〜。
その瞬間をもっとたくさん感じたいから、色々なことに気づいていけるようになりたいなぁと常々思います。
世界を変えたいなら、自分の考え方を変えよう。
まさにこの言葉の通りです。
考え方なんて今更変わらないよ、と思っていらっしゃる方、変えようと思えば変えられるものなんですよ。
私も、考え方を変えようと思って意識していたら、だいぶ変わりました。
随分生きやすい世界になりましたよ。
世の中に生き辛さを感じる方、ぜひお試しあれ。






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