サン=テグジュペリ星の言葉

ながしょ

2008年12月29日 11:10

だいわ文庫 9-2D
サン=テグジュペリ/〔著〕 斎藤孝/選・訳

出版社名 大和書房
出版年月 2006年3月
ISBNコード 978-4-479-30012-0
(4-479-30012-0)
税込価格 580円
頁数・縦 172P 16cm





すべてのおとなは、
最初は子どもだったのです
(でも、それを覚えている人はほんの少ししかいません)。



「星の王子さま」のサン=テグジュペリの言葉がぎゅっと詰まった一冊です。

優しい言葉たちが疲れた心をふわりと抱きしめてくれます。

そのいくつかをここでご紹介し、私がそれを読んで感じたことを書いてみたいと思います。


「君がそのバラのために使った時間が、君のバラを
そんなにも大切なものにしているんだ。」

大切なものとは、最初からそうあるわけではありません。
人と人とも、最初出会ったときは他人ですが、時間を重ねるごとにその人がかけがえのない存在になったりします。

「大切さ」とはそのものに宿るのではなく、それに対する自分の心に宿るものです。
他の誰かにとっては汚れたタオルだったとしても、あなたにとっては子供の頃から使っている大切なタオルであるかもしれないのです。

大切なものは生きている間にどんどん増えていくもの。

だから生きるって楽しい。



「砂漠が輝いているのは、どこかに井戸を
隠しているからなんだ。」

輝くということは、暗い場所に光が灯ることです。
明るい場所に光が灯っても、それはあまり目立たないものです。

その人の笑顔が輝いているのは、その人が今までの人生の中で、悲しみや苦しみをちゃんと乗り越えてきたから。

弱さを知っている人は強くなれるし、悲しみを知っている人は優しくなれる。

夜空に輝く星があんなにも綺麗なのは、闇に光を灯すから。

闇の中の光になろう。



「真理とは発見するのではない。
創造するのだ。」

誰もがほんとうのことを知りたいと願います。
だけど答えを探してもなかなか見つかりません。

私たちには「創りだす」という力があります。
周りを探しても見つからないのなら、自分の中に創りだせばいいのです。



「探しているものは、たった一輪のバラや
ほんの少しの水の中にも見つかるはずだ。」

人生に大切なことは教科書の中だけに書いてあるとは限りません。
むしろ、(私が感じたところでは)教科書以外のたくさんのところで大切なことを学んできました。

大事なのは「受け取る」ということです。
もし目の前にいる人が、あなたにとってとても大切なことを話していたとしても、あなたがそれを心で聞いていなかったら、それを受け取ることができないでしょう。

一輪のバラが教えてくれるものは、この宇宙にも匹敵するほど大切なことです。
宇宙の中にバラを見つけることができたら、バラの中に宇宙を見つけることもできるでしょう。



「人間は、
障害にむきあったときに
自らを発見するのだ。」

うまくいっているときは、なぜうまくいってるのかわかりません。
うまくいかなくなったとき、初めてうまくいかなかった理由がわかります。

障害とは行き止まりのことではありません。
立ち止まって一歩下がって、助走をつけてジャンプするための踏み切り台のことです。

そこにはいつも新しい発見があります。
ジャンプするごとに、より深く自分の中心にダイブすることができるからです。



「希望なく愛することは
絶望ではない。
無限においてしか結ばれないことを
意味するだけだ。
星は途中で消え去りはしない。
与えて、
与えて、
与え尽くすことができる。」


自分が愛して欲しいから相手を愛するとき、相手に対する期待が生まれます。
反対に、自分が愛したいから愛するとき、相手に対する感謝が生まれます。

期待は失望を生み出しますが、感謝は幸福を生み出します。
与えるほどに愛は増えますが、欲しがるほどに愛はなくなります。

与えることと、受け取ることは、本当は同じです。
与えて与えて、与え尽くしたとき、自分が欲していたものはすべて手にしていることに気づくでしょう。



『「さよなら」
と狐は言った。
「ぼくの言ってた秘密っていうのはね、
とても簡単なことなんだ。
心で見なければ、ものごとはよく見えない。
大切なことは、目に見えないんだよ」』


秘密とは隠されているものではなくて、みんながまだ気づいていないことです。
みんながそれに気づいたら、それはもう秘密でも何でもなくなるでしょう。

このことはとてもシンプルですが、決して簡単なことではありません。


ブルース・リーのこの言葉が私は大好きです。

「Don't Think. Feel!(考えるな、感じろ!)」


心の目で見るということは、心で感じるということです。
花の美しさを心で感じるとき、目で見ているのではなく、心で見ています。

心に「感じる」という水をあげ続ければ、花は必ず咲くでしょう。



ひとりひとりの花が、美しく優しく咲き誇りますように・・・






(スタッフI)
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