火の鳥
角川文庫
手塚治虫/〔著〕
出版社名 角川書店
出版年月 1992年12月
ISBNコード 978-4-04-185101-2
(4-04-185101-7)
税込価格 620円
頁数・縦サイズ 340P 15cm
永遠の命とは?
火の鳥の血を飲むと永遠の命が得られるという。
この不死の火の鳥をめぐって、人間の愛、生と死が壮大なスケールで描かれていきます。
手塚治虫が生涯をかけて挑んだ不滅のライフワークです。
永遠の命について考えるとき、私はいつも未来編のマサトを思い浮かべます。
マサトは永遠の命を得ますが、人類が滅んだあとも一人で生き続け、また人類が再生する時をひたすら待ち続けます。
この途方もない孤独を思うとき、永遠の命は私にはとても耐えられないと思うのです。
人が生きる喜びって何でしょう?
それは幸せを誰かと分かち合うことです。
もしすごい大金持ちで何でも手に入ったとしても、自分の心を分かち合える人が誰もそばにいなかったとしたら、その人の人生はむなしいだけでしょう。
幸せを分かち合うことが本当にすばらしいのは、それを分かち合うときに幸せが半分になってしまうのではなくて、幸せが2倍になるということです。ときには、2倍どころか100倍にも1000倍にもなるでしょう。
反対に苦しみを誰かと分かち合うことができたとき、その苦しみは半分にもそれ以下にもなります。
マサトは誰かと心を分かち合いたかった。永遠に生きるよりもそれが一番大切なこと。
誰かともし、本当に心をありのままにすべて分かち合うことができたら、その一瞬の中に永遠の価値があるでしょう。
あなたとこの物語を分かち合うことができたら、それは私にとって何よりの喜びです。
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