ゲド戦記 影との戦い

ながしょ

2008年11月07日 11:10

ソフトカバー版 ゲド戦記   1
ル=グウィン/〔著〕 清水真砂子/訳


出版社名 岩波書店
出版年月 2006年4月
ISBNコード 978-4-00-028071-6
(4-00-028071-6)
税込価格 1,050円
頁数・縦サイズ 302P 18cm




「ことばは沈黙に、

光は闇に、

生は死の中にこそあるものなれ。

飛翔せるタカの、

虚空にこそ輝ける如くに」
アースシーのゴント島に生まれた少年ゲドは、自分に不思議な力がそなわっているのを知り、真の魔法を学ぶためローク学院に入ります。進歩は早く、得意になったゲドは、禁じられた呪文を唱えてしまい、不吉な影を解き放ってしまいます。

ゲドが呼び出してしまった恐ろしい影は、ゲドをどこまでも追いかけてきます。ゲドは逃げ続けますが、ある日、師の言葉を聞き、影と向き合うことを決意します。

「そなたを追ってきたものを、今度はそなたが追うのじゃ。そなたを追ってきた狩人はそなたが狩らねばならん。」

立ち向かう勇気とは、恐れを乗り越える力です。

人は誰でも自分自身の影と戦わなければならないときが来るのです。

ゲドが影に立ち向かったように。

そしてそれは、厳密に言えば、戦いではありません。

勝つのでも負けるのでもなく、溶け合ってひとつなるということだから。

「すべてをひっくるめて、自分自身の本当の姿を知る者は、自分以外のどんな力にも利用されたり支配されたりすることはない。」

ゲドが最後に影の名前を呼んだとき、すべての旅は終わりをむかえました。

あなたも、あなたの影の名前を呼んでみてください。

あなたが、あなたになれますように。






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