熊本城物語

ながしょ

2017年07月12日 11:29


直木賞をはじめとする数々の文学賞受賞歴をお持ちである中村彰彦さんの『熊本城物語』が発売されました。中村さんはこれまでに熊本ゆかりの作品をいくつか書かれています。初めての長編小説『鬼官兵衛烈風録』の最終章は熊本が舞台であったり、新田次郎文学賞受賞作『落花は枝に還らずとも』では、あの小泉八雲が「神のような人」と形容したことでも知られ、熊本第五高等学校(現・熊本大学)で教鞭をとっていた秋月悌二朗の生涯を描かれました。西南戦争における熊本鎮台の籠城戦をテーマとしたノンフィクションンも書かれています。

そんな中村さんにとって、昨年の熊本地震はとても他人事ではなかったといいます。被災者の方々を少しでも励ましたいという思いから、当時連載ページをお持ちだった雑誌に、「熊本城物語」原稿用紙30枚を寄稿されたそうです。しかし、400年以上の歴史がある熊本城について、30枚で書ききることはとてもできない、いつか大幅に加筆してより読み応えのある作にしたい、と考えられていた折、出版社から史伝シリーズ執筆のお話が舞い込み、本書が誕生しました。時代の荒波に堪え、そびえる巨城・熊本城にまつわる秘話の数々、歴史文芸の第一人者による本作、ぜひ読んでみて下さい。
熊本城物語 加藤家三代、細川家十二代、そして西南戦争 中村彰彦史伝シリーズ:歴史の裏に真あり①/中村彰彦/自由社/756円(税込)

※当シリーズ②巻目は、会津保科家初代当主で、日本史上屈指の名君と言われる保科正之についての本になる予定です。


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